メディカ出版では、2024年4月に大阪市内で訪問看護事業・小児発達支援事業を開始します。今回は、11月に開催された事業説明イベント「メディカ出版の社長が熱く語る!訪問看護事業・小児発達支援事業への想い」の講演内容を紹介します。





なぜメディカが、発達支援事業に挑戦するのか

社会的ニーズの高まり

メディカ出版は、1980年に「ラマーズ法」を普及させるために全国でキャンペーンを行ったことをきっかけに、創業以来、医療者ともに、母子の命を救うテーマに取り組んできました。

日本では現在、医療技術の進歩などを背景に、小児医療の救命率は飛躍的に上昇し、他の先進国と比べても世界一の水準です。

その一方で、医療的なケアが必要な子どもの増加、サポートする家族の負担の増加が社会課題にもなっています。

屋号に込められた想い

屋号は「MIL(ミル)」です。医療的なケアが必要な子どもの増加が見込まれるなかで、サポートする家族の負担の増加をどう解消できるかと考えたときに必要なことは、家族だけでなく、医療者、支援施設、自治体が、出会い・連携し、愛を持って対応していくことだと思います。そうした支援のなかで、看護師さんの「みる」役割が、今後も一段と重要になってくると考え、この屋号に想いを込めました。

なぜメディカが訪問看護事業に挑戦するのか

経営を支える力

ご存じの通り、訪問看護ステーションは猛烈な勢いで増えています。その一方で、事業が継続できず廃業する施設も後を絶ちません。

2021年期初の時点で全国に13,000ヶ所のステーションがありましたが、そのうち廃業した施設は490ヶ所にものぼります。大阪に限ってみれば、全国平均よりも多い5.4%が廃業している状況です。

これを関連事業や日本全体の産業と比較してみると、医療・福祉・介護等の事業の2020年廃業率は2.24%です。また、同年の日本国内の中小企業全体で見ると3.3%です。いずれと比較しても、訪問看護ステーションの廃業率は非常に高いことがわかります。

廃業に至る大きな理由は、①稼働率、②人材確保、③資金不足の3つといわれています。

私たちは志や熱意がある医療者が、地域や利用者のために起業するのは大変すばらしいことだと考えています。一方でこのような課題に直面して志半ばで事業を継続できなくなることは非常に心苦しいことだと考えています。

そこで、メディカ出版がこれまで培ってきた経営のノウハウや業界における認知度を上手く活用することで、そうした想いのある方や、やってみたいと考えている方を応援し、必要とされる事業者に一緒に育っていければと考えています。

将来ビジョン

ここまでお話してきた事業化の背景に加えて、ここからは将来構想についても少し触れておきたいと思います。

将来ビジョンとしてやりたいことが3つあります。

1.ベビー・小児に特化して多拠点化をする

高齢者分野の施設は地域によってはすでに供給過剰状態です。それに比べて小児、特に医療的ケア児の受入や訪問には強い要望があります。

では、なぜ小児・医療的ケア児の受入や訪問施設は増えていかないのでしょうか。それは、経験やノウハウが必要というのが大きな要因です。そこを、周産期・小児領域におけるメディカ出版の認知度、培ってきた信頼を生かし、小児・医療的ケア児の在宅または施設療育に携わりたい人を巻き込んでいきたいと考えています。

2.教育・研究・情報発信の拠点とする

訪問看護と通所施設が併設するメリットとしては、スタッフへの教育・研修がしやすいことが挙げられます。

例えば、小児・医療的ケア児のケアについてスタッフ教育を行う場合、通所である児童発達施設で行えれば、訪問看護に同行して行うよりも効率的ですし、30分~1時間程度の訪問看護に比べて、通所であれば長時間利用者さまと一緒にいることができ、利用者の特徴もよりわかるようになってきます。

利用するご家族も、訪問看護と通所をセットで申し込まれることが多いため、通所施設で経験を積み、利用者ご家族との関係性を築くことができれば一人での訪問にも行きやすくなると考えています。

また、通所施設の効果的な活用、スタッフ教育の差別化として、利用者さまが帰宅して空いたスペースを利用し、勉強会等を開催していくということも考えています。

高齢者分野の施設に比べて小児在宅領域はまだこれから発展していくと考えれば、私たちだけでなく周辺の事業者様の情報も集め、全国に知見を広める起点になっていければ、と思っています。

3.地域コミュニティとして1坪図書館を設置

メディカ出版ではおもに看護師向けの書籍を、また子会社の保育社では義務教育課程の小学生~中学生向けに、調べ学習やからだや病気の本などを刊行しています。またメディカ出版の商品もおもに医療者向けではありますが、患者さんやご家族が読まれているケースも多くあります。

そうした医療者以外の方にとっては、医療書なので買うには高いけど、借りて読めるなら読みたいと思っていただけるテーマも多くある思いますし、近年課題となっている小中学生の読書習慣の定着や、地域コミュニティとしての役割も担いたいと考えています。

今後の事業展開について

今後の事業展開は、2024年春の1号店開業に続いて2025年秋ごろには2号店、2027年春ごろに3号店の出店を考えています。

2号店からは小児にシフトさせていきたいと考えていますが、1号店では事業運営の経験を積み、経営を早期に安定させるため、訪問看護は小児に限らず高齢者まで幅広く行っていきます。

まずは1号店で管理者・スタッフ一緒になって経験を積み、小児在宅医療の勉強を重ね、2号店、3号店と、一つひとつ目標を実現させていきたいと考えています。






長谷川 翔
株式会社メディカ出版 代表取締役社長

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