ここには12枚の『問い』が書かれたカードがあります。
ゲストが、それぞれ選んだカードに書かれた『問い』について、インタビューを通じてゆっくり考えていきます。
カードには何が書かれているか、ゲストにはわかりません。

ここでの『問い』とは、唯一の正しい答えがあるものではなく、思考を深め、さらなる問いを生んだり、生涯にわたって何度も問い直したりするような本質的なもの。
そして、ゲストの考えや価値観、人柄に触れるようなものが含まれています。
簡単に答えは出なくても、こうした考える時間自体に意味があるのかもしれません。
いま、少しだけ立ち止まって、あなたも自分や周りの人に問いかけ、想いを馳せてみませんか。



ゲスト:やな
看護大学卒業後、系列の大学病院に就職。救急病棟と救急外来で6年。その後は異動希望を出して小児科病棟で勤務し、同時期に大学院の修士課程に進み卒業し、現在に至る。最近の楽しみは明け飯、ホロライブを箱推しすること。

インタビュアー:白石弓夏
小児科4年、整形外科・泌尿器科・内科系の混合病棟3年、その後、派遣で1年ほどクリニックや施設、ツアーナース、保育園などさまざまなフィールドで勤務。現在は整形外科病棟で非常勤をしながらライターとして活動して5年以上経つ。最近の楽しみは、仕事終わりのお酒と推しとまんが、それと美味しいごはんを食べること。

救急病棟・救急外来から小児科看護師になるまで

白石:
本日はよろしくお願いします!私も小児科にいたので、小児科で働くやなさんには勝手に親近感湧いています。やなさんのご経歴としては、最初から小児科だったわけではなく、途中から異動したんですよね。そのあたりの経緯についてお聞きしたいです。

やな:
ありがとうございます。そうですね、最初は救急病棟の配属でした。入職時は第1希望で小児科、第2希望で救急にしていたと思います。小児科はかなり人気があったので希望が通るのは難しく、救急でも子どもは来ると聞いていたので、それなら悪くないかなと思い働きはじめました。ただ、救急外来には子どもが来ても、救急病棟に入院することはほとんどなくて。どちらかというと、看護師4年目で救急外来にローテーションで異動したときのほうが、子どもとはかかわっていました。

救急自体けっこう楽しくって、BLSのインストラクターやACLSなど学びに行ったこともありました。そうして看護師7~8年目になるころ、専門的に小児科にもかかわりたいという思いはずっとあったので、異動願いは出していたんですけど、2年くらい通らなくて。今年通らなければ外に出ようかなと思っていたタイミングで、小児科病棟に異動になりました。

白石:
最初は第2希望の救急病棟に配属になって、それから救急も楽しくなってきたとのことでしたが、そのときどんなことを考えて働かれていたのか、もう少しお聞きしたいです。

やな:
あとから考えてみると、救急は自分に合っていたのかなと思うんですよね。救急って自分がしたことがすぐに反映されるというか、レスポンスとして治療の効果が患者さんの反応にすぐ出てくるので。それこそ、肺炎の患者さんで体位ドレナージとかいろいろと工夫しながらかかわったら、翌日のX線の画像が綺麗になっていたとか。学んだことが患者さんの反応としてダイレクトに出てくることが、やっていて面白くて。勉強して実践して、反応を評価して、また実践してとぐるぐるサイクルを回すのが楽しかったですね。長く働けていたのは自分の成長を感じられて、楽しかったからだと思います。

白石:
小児科も経過が早いので、似たようなところがありそうですね。そもそもやなさんが小児科を希望していたのは、どんな理由からなんですか。

やな:
特別、大きな理由はなくて。看護師になったきっかけもかなり漠然としていると思います。中学生くらいのときに「将来なにになろうかな」と考えるタイミングで、ちょうどテレビのドラマで『ナースマン(主演:松岡昌宏)』がやっていたんです。看護師って男もなれるんだ、看護師いいなと思うようになって。強いこだわりがあったわけではないですけど、その気持ちのまま看護師になったんですよね。それで、看護師として働くとしたらなにがやりたいかと考えたときに、子どもとかかわるのが好きだったので、単純に小児科の看護師だなと思いました。

白石:
実際、小児科に配属になって、どうですか。仕事、楽しそうだなという印象があるんですけど。

やな:
楽しいですよ。やっぱり希望していた分野だったし、子どもたちはかわいいですからね。救急でいろいろやってきた経験も活きてくることが多いです。たとえば、救急って本当になんでも来るじゃないですか、診療科も循環器や消化器、外科も……。小児科も診療科に特化しているわけではないので、近いところがあります。小児科の医師たちってすごいなと思うのが、小児科としてひとくくりで患者さんが来るから、救急でもなんでも診る。そうした点で、これまで救急で勉強してきた解剖生理や病態などの基礎のところをうまく活用すれば、理解できることも多いので。その面白みは救急にいたときと似ていると思います。

言語的コミュニケーションが少ないなかで、患者さんの反応を見ること

白石:
成人を経験してから小児科に異動するのって、なにか難しく感じたことってありましたか。

やな:
一番難しいと感じたのは、言語的コミュニケーションの通用する範囲がだいぶ限られることでしょうか。とくに小児科で多い乳幼児だと、本人たちの語彙力は成人に比べると全然違うので。成人だったら「痛い」と言われたら、どこがどのくらい痛いのか詳しく聞けると思いますけど、小児の場合にはどこがどのくらい痛いのか、そもそも本当に痛いのかもわからない難しさはありましたね。異動したばかりのころは、みんなどうしているんだろうって。そのことによって、これまで言語的なコミュニケーションに頼りきっていたんだなと身に染みましたね。

白石:
たしかにそうですね。一般的な小児科だと3~4歳くらいまでの子が多いでしょうから。そうしたコミュニケーションの困難さはどのようにして克服していったんでしょうか。

やな:
最初は自分の持っている武器に頼る、病態から攻めるしかなかったです。子どもたちの反応をみることも大事ですが、この病態のこの症状はそもそもどういう状態なのかを考えながら、医師のカルテ情報などを拾いながらうまく結び付けて、今はこういう状態なのかと把握していく。この子たちにはこういう治療をしていきたいから、こういうケアをしていったらいいかと考えながらやっていましたね。あとは、しゃべれないなりに子どもも表現するじゃないですか。寂しいとき、痛いときに泣くこと、じつは表情や泣き方も全然違うことがだんだんわかってきて、そういう自然な反応をよく見るように意識していましたね。

白石:
患者さんの反応を見るって、看護過程や看護診断の基本となるところですね。

やな:
そうですね。非言語的な反応もやっぱりすごく大事にしないといけないし、その反応は同じ子でも時系列や治療の経過によって反応が変わってくることもあるので。そこでなにが変わってきたのかと考えられると、言語的コミュニケーションがとれなくても、わかることはたくさんあります。

白石:
あわせて、ご家族から普段の様子とかも聞きつつですね。小児科で男性看護師というと、少し珍しいのかなという印象もあったんですが、男性ならではの難しさみたいなことってあったりしますか。

やな:
うちは比較的、男性看護師は多いほうだと思います。男性ならではの難しさというと、小児科では母乳育児指導のようなこともかかわることがあるので、そこは女性のスタッフにお願いしていますね。あとは、地味に女性のほうが子どもは懐きやすいというのを感じることがあります。これは子どもの育児をお母さんがメインでやっているのか、お父さんなのかにもよって変わってくるんでしょうけど。女性のほうが慣れが早いなと。私といたときは泣いていたのに、違う女性のスタッフに変わったら全然違うみたいなことはあります(笑)。

大学病院にいるうちに大学院で修士課程に

白石:
少し話は変わりますが、やなさんは小児科に異動したタイミングで大学院にも行かれているんですよね。これはどんなことを学びにいったのでしょうか。

やな:
これはあまり小児科は関係なくて、単純に大学病院にいるうちだったら、そのまま系列の大学で修士課程に進めたからです。ちょうど救急外来で働いているときに、外部から来た先輩が修士課程に進んでいて、勧められました。それで修士の論文コースに進んで、なにかひとつ研究をして発表をするという。当時は教育関係の担当もしていて勉強していたんですけど、特に誰かが教えてくれるわけでもないし、先輩がやってきたものを見よう見まねでやっていて果たしてこのままでいいのかと思っていたので。中堅看護師が職場のいろんなスタッフに教育する方法をテーマに研究しました。

白石:
そうした研究を通して、将来を考えるなかでなにか変わったとかあるんでしょうか。

やな:
そうですね……。大学院生活は個人的にはけっこうしんどかったんですよね。たぶん、いろいろときっかけも曖昧だったし、ゴール設定など見積もりが甘かったなと反省しているところもあって。私の場合は、なにかやりたいことがあって大学院に行って研究したわけではなく、行けるうちに大学院に行こうと思って、そのなかでテーマを決めなくちゃいけなくて興味がある教育にしたので。教育に関して学べたところはすごく多かったし、現場で反映したいこともたくさんあるんですが、今の自分のレベルではまだまだインプットが足りないなと感じています。

研究するにしても、研究するもののことをよく知らないと研究ってできないですし、どれだけ先行文献を探れるか、知れるかで研究の幅も広がってきます。先行研究を探っていくなかでも、うまく自分がほしいところにたどり着かなかったということも多くて。修士論文としてひとつの形にはしましたけど、本当にあれでよかったのかみたいな心のわだかまりはありますね。なので、インプットを強化して、将来的には現場で反映できたらいいなとなんとなく思っています。まだまだ勉強の段階かなと。

自分や他の人が与える影響、どんな結果を生むのか考えること

白石:
それでは、本題にいきましょう。質問のカードを準備したので、選んでもらえますか。

やな:
真ん中がいいですね、左から5番目のカードで。

白石:
「看護師の友だちや同僚からどんな人だと言われますか」ですね。

やな:
あ~どんな人か。自分ではそうは思わないんですけど、よく「優しいよね」「看護師の仕事合ってるよね」ということは言われますね。仕事中に厳しくするつもりはないですし、同僚や後輩にはできるだけ優しくしようとは思っているんですけど、特別心を込めて優しくしているつもりはないんですよね。これは職場の人もそうだし、学生時代は医学部とも交流があったので、大学の友だちや医学部の友だちとかにも言われていましたね。

白石:
そうなんですね。たしかに、やなさんが「こんなんやってられんわ」と愚痴っているイメージはないですね。そもそも、そういう感情になることがない?

やな:
いや、そんなことはないですよ(笑)。人並みにいろいろと思うことはありますし、愚痴も出てきます。ただ、SNSでは特別言わないようにはしていますね。匿名ではあっても看護師として名乗っているので、フォロワーさんのなかには、私のことを少しずつ知って理解してくれる人もいると思うんですけど、そうではない人も多いですから。SNSはフォローしていてもフォローしていない人でも誰でも見られるという特性がある以上、ネガティブなことをつぶやいて、その影響がどう出てくるかと考えると、あまりいいことはないかなって。少ない文字数のなかで拾える情報って本当にわずかですから。特にネガティブなワードは人目に触れると共感が得られやすくて、そうしたところで広がって不快に思う人がいるのは、すごく嫌だなって。自分のなかで消化できればいいかなと。わざわざ外に向けて発信する内容ではないと、曲がりなりにも看護師としてはそう思っていますね。

白石:
そうだったんですか。自分のなかで消化するって、たとえばどんな感じですか。

やな:
たとえば、仕事でもらいインシデントがあったり、入院がこんなに来ているのに、誰も手伝ってくれなかったりとか、そういうときって嫌な感情がわっと湧いてきやすいと思うんですよね。だけど、そういうときって、ちょっと落ち着いて周りの状況を思い返してみると、仕方なかったのかなと思うことのほうが多いんですよ。その嫌な感情が湧いているときって自分のことしか考えていないので、周りもよく見えていなくて目線が一方通行になりがちで。

後々、リフレクションや内省で、なんでうまくいかなかったのかと考えたときに、怒るよりも改善の手立てを考えたほうが有意義だと思うんですよね。もらいインシデントも自分がかかわっていたわけではないけど、でも自分は病棟の一員だし、年齢的にもわりと病棟でも中堅以上の立場にいるので、次起こらなくするにはどうしたらいいかを考えたほうが、ネガティブに考えるより有意義で。それが自分の役目かなとも思うんです。いい循環に変えてあげたほうがスタッフも働きやすくなるだろうし、できるだけ仕事は楽しくやりたいと思っているので。インシデントだって、みんな別にやりたくてやっているわけではないですから。

白石:
なんだか考えていることが主任さんみたいですね。先ほどのSNSの話もそうですけど、お話を聞いていて自分がしたことによってどういう影響が出るのかと、その先のことも考えられているという印象があります。

やな:
そうですね、自分が与える影響とか、他の人が与える影響っていうのは、その先にどういう結果を生むのかと考えながら仕事していますね。

フラストレーションが爆発してしまうと絶対にうまくいかない、自分の思考も濁っていく

白石:
フラストレーションが溜まるときって、そういう考えがどっかにいってしまい、自分のことでいっぱいになっちゃいますよね。そこから、現在の考えに至ったきっかけみたいなことがあったんでしょうか。

やな:
たぶん、救急外来の経験が大きいかなと思います。救急の現場ってタイムリーにいろいろと考えて動かないと、どんどんひどい状況にはまり込んでいくので。特にリーダーをしていると、自分のマネジメント次第でうまく運ぶこともあるし、そうじゃなくなることもすごくあって。そこでたまったフラストレーションが爆発して動いてしまうと、絶対うまくいかないんです。スタッフも嫌な気持ちになるし、指示も通りづらくなるし。自分の思考も濁っていって、頭のなかが整理できなくなって、ひとつのことに固執してしまうこともあります。それはよくないなと。なので、自分が追い詰められていて、パニックに陥りそうなときほど一歩引いて、自分自身を俯瞰するみたいに考えるようにはしますね。今、自分が置かれている状況はどうなっているんだって。

白石:
それは、やなさん自身の経験からでしょうか。

やな:
そうです。過去に救急外来で医師とのコミュニケーションがうまくいかず、振り回されてしまったときに「なんだこいつ」とぶつかりそうになったことがありました。そのときに、先輩が私の肩をポンと叩いて「どうした?なに考えてる」と声をかけてくれて。ハッと気づいたことがありました、なにも考えていなかったことに。言われたことをポンポンとそのまま反映していただけで。それで「一回考えるんで、ちょっとここお願いしていいですか」と、先輩にその場をいったんお願いして、頭のなかを整理したことがありました。

まだリーダーの経験も浅くて、バタバタと急患が来て、また次に重症患者さんが来ますとなったときに、たぶん自分はパニックになっていたようで。そのときは私のことを俯瞰して客観的に見てくれていた先輩がいたおかげで、抜け出すことができました。それで、自分も経験を積んで、だんだんと立場も上になってくると自分を俯瞰して見てくれる人はいなくなってしまうので、それなら自分を俯瞰して見るのは自分しかいないと、トレーニングしようと思ったところはあります。救急外来では、忙しくなる時間帯や場面があるので、そうしたタイミングでは、一回頭のなかを整理するようにひと呼吸置くようにしましたね。

白石:
なるほど。具体的にはどんなタイミングのときに、あ、ちょっといったん落ち着こうと思うんですか。

やな:
救急外来でも、災害が起こって急患が増えるとかじゃない限り、そこまで突発的なことって多くはないですよね。ホットラインが鳴って、どういう人が来ますと連絡があって準備をするので、いくつか踏む段階があります。たとえば、今診察を受けている人が3人いて、これから救急車が2台来ます。ウォークインも電話で今から来ると連絡があった人が3人くらいいて……と情報が入ったタイミングでいったん考えますね。絶対にこれから忙しくなるし、スタッフもしんどくなることが予見できるので、そこで一回思考を戻そうかと。救急の患者さんが少ないタイミングでも、「じゃあ、今ここに救急車が2台来たらどうしようか」というのは常々想定して動けるようにしていました。

白石:
その気持ちすごくわかります。そうした思考の整理のタイミングをちょこちょこ作ると。

やな:
そうですね。慣れてきてからは、勤務開始の時点から考えています。今は小児科病棟なので、どういう患者さんがいるかという事前情報から、このなかで一番急変リスクがある人は誰か、どういう急変が考えられるか、急変が起きたときに誰をどこに割り当てようと考えながら仕事をしています。これよりひどい状況はそうそう起こりえないという状況を常に考えておけば、ある程度ストレスがかかってくる状況になっても、まだマシだなと思えるので。それによって、仕事中はあまりストレスが溜まらないですね。

白石:
やなさんの穏やかさ、優しさを感じられる背景には、こうしたフラストレーションが溜まりつつあってもうまくガス抜きをして、あらかじめ想定して準備をしているおかげで、精神的にも身体的にも安全が確保されているからこそ、優しくなれるんだと感じました。

やな:
1人では看護はできないので、自分の精神的バロメーターを一定の状態に保つのは、意図的にしているかもしれませんね。

仕事は一生続けていくものだから、働くことがつらいものにならないでほしい

白石:
それでは、最後の質問にいきたいと思います。「あなたが後輩の看護師に伝えたいことはなんですか」です。

やな:
それこそ学生さんたちは、とにかく学生生活を楽しんでください、ということが最たるところかなと。学生時代だからこそできることがたくさんあると思います。どこかに遊びに行くとか、いろいろ楽しみながら過ごしてもらいたいですね。そして、看護師1~2年目くらいだと、コロナ禍で実習がなかった人もいてプレッシャーに感じているところも多いと思いますが、自分のなかで抱え込んでしまうより、いろいろ聞いたほうがいいと私は思います。職場によって聞きやすい聞きにくい人といると思うんですけど、自分のなかで抱えてあれこれどうしようとなると、うまく消化しきれずに前に進めずとしんどくなってしまいます。一歩踏み出してちょっとわからないことがあってと聞いてみると、そこから前に進めることも多いので。人を頼りにしながら仕事していってほしいなと思います。

白石:
人に頼るのが苦手な人も多いでしょうから……大事なことですね。

やな:
あとは、いろんなところに疑問を持てるといいですね。自分で言うのもなんですが、先輩から教えてもらったことは意外と正解じゃないこともあって、病棟や先輩のルールみたいなことが多かったりするので。なんでそれをやるのか、その理由を今一度考えながらすることで、知識としてしっかり定着してくると思います。解剖生理とかもそうですけど、実際の患者さんを目の前にして、肺炎の患者さんで炎症が起きて呼吸がしにくい状態ってなんだろうと考える。そして、なんでだろう、どういうことだろうとどんどん掘り下げて根幹のところに突き当たると、そこまでに積み上げた知識って違う分野に行ったときにも活きてくると思うので、ぜひやってみてほしいです。

総括として言えるのが、楽しく仕事をしてくださいですね。職場によってはなかなかそうもいかないところもあると思うんですけど、そういうところは早めに離れてもいいのかなと思います。何年働いたから一人前とかそこまで考えすぎなくてよくて、しんどいのであれば環境を変えてみることもひとつだと。今後、看護師の仕事をずっと続けていくかどうかはわからないけど、仕事自体は一生続けていかないといけないので。そこがやっぱりつらいことになってしまうと、人生自体がしんどいものになってしまいます。なにかひとつでも楽しいことを見つけていただけるといいのかな。ためになる話ができたかわからないですけど、この記事を読む人のなにか少しでも力になれればいいなと思っています。

インタビュアー・白石弓夏さんの著書



Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~

Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~
私もエールをもらった10人のストーリー


今悩んでいるあなたが元気になりますように
デジタルアートや3Dプリンタを看護に活用したり、看護をとおして一生の出会いをつかみ取ったり、在宅のほうが担い手が少ないから訪問看護に従事したり、苦しかった1年目のときの自分を手助けできるようにズルカンを刊行したり、医療と企業の橋渡しをするためにスタートアップに就職したり、悩みながらも新生児集中ケア認定看護師の道をまっすぐ進んだり、ロリータファッションモデルとして第一線で活躍しながら看護師を続けたり、目的に応じて疫学研究者・保健師・看護師のカードをきったり、社会人になってから「あっ、精神科の看護師になろう」と思い立ったり……。 さまざまな形・場所で働く看護師に「看護観」についてインタビューしようと思ったら、もっと大事なことを話してくれた。看護への向き合い方は十人十色。これだけの仲間がいるんだから、きっと未来は良くなる。「このままでいいのかな?」と悩んだときこそ、本書を開いてほしい。

目次


◆1章 クリエイティブな選択肢を持つこと 吉岡純希
◆2章 大きな出会いをつかみ取ること 小浜さつき
◆3章 現実的な選択肢をいくつも持つこと 落合実
◆4章 普通の看護師であること 中山有香里
◆5章 ものごとの本質をとらえる努力をすること 中村実穂
◆6章 この道でいくと決めること 小堤恵梨
◆7章 好きなことも続けていくこと 青木美沙子
◆8章 フラットに看護をとらえること 岡田悠偉人
◆9章 自分自身を、人生や仕事を見つめ直すこと 芝山友実
◆10章 すこしでも前を向くきっかけを作ること 白石弓夏

発行:2020年12月
サイズ:A5判 192頁
価格:1,980円(税込)
ISBN:978-4-8404-7271-5
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