ここには12枚の『問い』が書かれたカードがあります。
ゲストが、それぞれ選んだカードに書かれた『問い』について、インタビューを通じてゆっくり考えていきます。
カードには何が書かれているか、ゲストにはわかりません。

ここでの『問い』とは、唯一の正しい答えがあるものではなく、思考を深め、さらなる問いを生んだり、生涯にわたって何度も問い直したりするような本質的なもの。
そして、ゲストの考えや価値観、人柄に触れるようなものが含まれています。
簡単に答えは出なくても、こうした考える時間自体に意味があるのかもしれません。
いま、少しだけ立ち止まって、あなたも自分や周りの人に問いかけ、想いを馳せてみませんか。



ゲスト:ゆきえ
長崎出身。衛生看護科を卒業し20歳で看護師に。京都の病院の急性期病棟で5年勤務。その後、西宮の病院へ転職し、循環器内科と脳神経外科病棟で現在7年目。2023年4月より副主任として新人教育などに携わる。休日は趣味のロリータ、コスプレ、観劇など楽しむ。

インタビュアー:白石弓夏
小児科4年、整形外科・泌尿器科・内科系の混合病棟3年、その後、派遣で1年ほどクリニックや施設、ツアーナース、保育園などさまざまなフィールドで勤務。現在は整形外科病棟で非常勤をしながらライターとして活動して5年以上経つ。最近の楽しみは、仕事終わりのお酒と推しとまんが、それと美味しいごはんを食べること。

先輩の趣味がきっかけかで、職場選びの候補として

白石:
ゆきえさん、はじめまして。今日はよろしくお願いします!ゆきえさんは看護師として病院で働きながらモデルさんやコスプレイヤーなどの活動もされているとのことで、気になっていました。お仕事では今2カ所目の病院で副主任さんもされているんですね。どのようなきっかけで転職して今の病院に来たんでしょうか。

ゆきえ:
よろしくお願いします。元々は京都の病院で働いていたんですけど、奨学金を借りていたことや同期もいたおかげで5年頑張っていました。ただ、けっこうバタバタと忙しい病棟だったこともあり、ここでずっと働くイメージができなくて転職を考えるようになったんです。ちょうどその頃、既卒で入職された先輩が宝塚好きで。話をするなかで一緒に観劇するようになって、どんどん宝塚にハマっていったことをきっかけに、大阪と神戸の間くらいにある西宮あたりで働くのもいいなと思うようになりました。そこで、循環器病棟で専門的な経験ができたらいいなと思い、寮がある今の病院に決めました。

白石:
え、転職のきっかけは宝塚だったんですね。

ゆきえ:
そうなんです。本当に単純な動機なんですけど(笑)。今の病棟も若い子が多くて、けっこう趣味に没頭している子もいて。私自身も趣味があることで、仕事もすごく頑張れると実感しているところです。

白石:
ちなみにゆきえさんが宝塚にハマるきっかけ、好きなポイントってどんなところなんですか。

ゆきえ:
宝塚は2024年で110周年になるんですが、非現実的で夢の世界って印象がありつつも、実際はけっこう距離が近いんですよね。生徒さん(※劇団員のこと)と直接お話もできますし、お手紙を出すこともできますし。本当に普通の女の子みたいなところもあって。お稽古もすごく大変だと思うんですけど、その頑張っている姿にこちらも勇気づけられるというか、頑張らないとなという気持ちが湧いてくるんですよね。あとは、みなさん姿勢がいいので、観劇するだけでも姿勢が良くなる、背筋が伸びる思いになります。

人生経験として、1回は管理職の経験をさせてもらえるのならば

白石:
それで今の職場では副主任をされているとのことで、どのような流れで副主任になったのでしょうか。

ゆきえ:
今の病棟は主任がいないんですよね。以前いた主任さんが辞めるときに「次は任せたわよ」みたいなことを言われて肩を叩かれてはいたんですけど、私としては全然そんなつもりはなくて。それから少し経って看護部長さんから話を持ちかけられて。当時は副主任になりたがっている人も周りにいたので、その人との関係がどうなってしまうかという心配もありました。だけど、そういうことも含めて看護部長に相談して、「なかなか主任になりたくてもなれない人もいるし、これはいい機会・チャンスだと思って頑張ってほしい」と言われて。私もそうだよなと思って、人生経験として1回は管理職の経験をさせてもらえるのならば、頑張ろうかなという気持ちで受けました。

白石:
今の職場では7年目ということで、看護師歴は12~13年ということですが、ゆきえさんはどのくらいの立ち位置になりますか。

ゆきえ:
既卒の人が多いので、7年務めているとかなり長いほうかもしれないですね。次にやりたいことがあるとか、結婚を機に辞める人も多いので。それは今副主任としての悩みのひとつでもありますね。入れ替わりがけっこうあるので、なかなか定着しないというのは。

白石:
副主任さんって、病棟ではどんな仕事をしているのでしょうか。

ゆきえ:
もうひとりICUから来た看護師さんも私と同じく初めて副主任になったので、一緒に頑張っています。基本的には師長さんのサポートと、新人教育・研修などの主任の仕事もやっている形ですね。1年間の教育計画を立てて、毎月振り返りをして話し合いをしています。

白石:
なるほど。管理職の仕事って実際やってみてどうですか。ゆきえさん自身向いていると思うのか、どう考えているのか。

ゆきえ:
私、気分のムラがあまりないみたいで、それは師長さんからもすごくいいところだと言ってもらえているんですよね。たぶん昔からですけど、上下関係なく誰かと話すのが苦手とかもあまりなくて、そういうところは自分の強みかなと思っています。なので、副主任として話しかけやすい立場にいられたらいいなと。師長さんとスタッフとの架け橋のようになれたらいいなと思っていますね。だけど、特別副主任になったからといって自分がなにか変わったかという印象はあまりないですね。仕事が増えただけというか。

白石:
副主任になって仕事増えたというのは、けっこうみなさん悩まれるところだと思うんですけど、それは時間を作ったり、メンタル的になにか対策したりしているんですか。

ゆきえ:
切り替えを早くしていますね。基本的に副主任の仕事も業務時間内に終わらせたいので、夜勤中にサマリーの確認や修正とかやっているときもあります。休日はとにかく切り替えて楽しむ、それでストレス発散しているので、休みの日に仕事を持ち込みたくないですね。やるなら家じゃなくて、病棟でやって残業代をもらいますね、しっかり(笑)。

白石:
しっかり(笑)。ゆきえさんのその気分のムラがあまりないというのは、昔からそうなのか、なにか心がけていてそうなったんでしょうか。

ゆきえ:
元々もそんなにわーって感情的になるタイプじゃないですけど、やっぱりイライラすることはあるんですよ。だけど、なにかイライラして言った言葉に、あとで自己嫌悪になってしまうので、そこはぐっとこらえます。そのほうが後々「あそこでイライラして言わなくて、えらかったぞ」となります。これは、失敗もいろいろとあってそう思うようになったんだと思います。「あぁ、あそこでああ言って申し訳なかったな」とそういうことが積み重なっているのもあるのかなって。

あとは、職場でもイライラしてバーッと言っちゃう人もいるじゃないですか。そういう人を目にすると、反面教師にするというか。副主任になってより思うようになりましたね。みんなのお手本じゃないですけど、見られているという意識を持っておかないとなと思います。

そのままの自分で変わらずに

白石:
それでは、本題の質問のカードを準備しましたので、こちらから選んでください。

ゆきえ:
わぁ、緊張の……じゃあ右から2番目にします。

白石:
「今の自分に声をかけるとしたら、なんと言いますか」ですね。新しいカードだ。

ゆきえ:
えぇ、今の自分に声をかけるとしたらなんだろう……「まあ、そのままの自分で変わらずに頑張れ」でしょうか。

白石:
いいですね、ゆきえさんにとってそのままの自分っていうのは、たとえばどんな自分を想像しましたか。

ゆきえ:
よく周りからも言われるんですよ。お誕生日のお祝いのお手紙などで「そのままのゆきえさんでいてね」って。ありのままの自分でも、こうやっていろんな人が仕事でも友だちでも変わらず一緒に遊んでくれて、本当に日々幸せを感じているので、その人たちも私自身のことも大切にしていきたいと、常に考えながら生きていきたいと思っていますね。う~ん、自分で自分に声をかけるって難しいですね。

白石:
そうですよね。そのまま、ありのままの自分って、意外に自分ではわからなかったりするのかなと思っていて。周りのほうがよく知ってくれていることもあるのかなと思ったんですよね。

ゆきえ:
私もそう思います。身近な人とか、褒められると私は素直に受け取るタイプなので、患者さんや友だちに「笑顔に救われた」と言われることがあって。私も人の笑顔を見て、安心することがあるので、仕事でもプライベートでも笑顔で頑張っていきたいなと思っていますね。

白石:
その無理して笑顔でいるというわけではなく、笑顔で頑張るためになにか心がけていることとかあるんですか。

ゆきえ:
やっぱりプライベートが充実していないと仕事もなかなか頑張れないのかなと思いますよね。なので、オン・オフの切り替えはすごく大事にしています。私の場合だと、友だちとしゃべったり、おいしいものを食べたり、好きな観劇したり、コスプレやモデルの撮影に行ったりとけっこう外に出ることが多いですね。看護師じゃないいろんな友だち、海外の人とも話すことで世界が広く見えて刺激になりますし、気分転換になっていると思います。

私、1カ月の予定を全部埋めるようなタイプなんで、どんどん外に出かけるんですよ。後輩にも「夜勤明けで今日もどこか行くんですか?」と聞かれるくらい(笑)。最近はちょっとゆっくりしているかもしれないですね、後厄っていうのもありますけど。正月早々に体調を崩したので、温泉でゆっくり体を労わることもしていかないといけないなぁと。でも、人の3倍くらい人生楽しんでいるんじゃないかなって思います。

白石:
え~いいですね。その人生楽しんでいるっていうのは、たとえばどんなことですか。

ゆきえ:
人生一度きりだしやりたいことやりたいなと、いろいろチャレンジするようにしていますね。私はこれまで人とのつながりでいろんな経験をさせてもらっているなと思っていて。20歳くらいの頃にロリータ服を着たりして、その後モデルの仕事もさせてもらうようになって、カメラマンの子と一緒にコスプレの撮影に行くようになったりして。今度、メディカ出版さんで声をかけていただいたお仕事(詳しくはこちらもありますし……。いろんな人とのつながりを大切にしてきて、今の自分がいるんだなとすごく実感します。なので、自分ができる範囲は全力で頑張りたいなと思っています。失敗を恐れず、後々結果がついてくることもあると思うので、やらないで後悔するよりもやって失敗して後悔したほうが私はいいですね。


▲モデル活動
※ブランド名:Belette(ブレット)
※撮影者:kurage*

趣味とか楽しみがないと仕事に覇気が出ない

白石:
最近、後輩の悩みとかを聞いていると、そもそも好きなことがわからない、やりたいことはあるけど時間がなくてできないという話も聞きます。そういう看護師さんにアドバイスするとしたらどんな風に声をかけますか。

ゆきえ:
そうですよねぇ。私は仕事以外のことの趣味とか楽しみがないと仕事に覇気が出ないタイプなので。あとは、やりたいけどできないっていう場合には、私はこの日までにこれをやろうって目標があると頑張れるタイプなので、そうしていますね。コスプレの武器とかね、自分で作るときとか……。

白石:
え!自分で作るんですか(笑)。


▲コスプレ活動
※作品名:葬送のフリーレン
※キャラクター名:フェルン
※杖:自作
※撮影者:末政ヒロアキ


ゆきえ:
そうなんですよ、この日にイベントがあるからって計画を立てて。やるまでは億劫ではあるんですけど、やりだすと好きなことなんで楽しくなっちゃうタイプで。仕事じゃないけど、仕事みたいな感覚でやっているところもありますよね。あとは一緒に楽しんでくれる友だちがいるのも大きいですね。今の職場でも同じ趣味の人がいるので。職場の人にプライベートな話をするのはけっこう勇気がいると思うんですけど、一度打ち明けるとけっこう声かけてくださったりして、いいきっかけになりますよ。

白石:
趣味とか仕事以外の人とかとのかかわりって、仕事の相談とかそういう話もするんですか。

ゆきえ:
看護師の仕事のことがわからない人にはあまり仕事のことは言わないですかね。でも、人によっては、死生観とか最期どうするのかみたいな話をすることもあります。歳上のお子さんもいらっしゃるママさんとか、モデルをしていた作家さんとか。医療従事者からじゃないと普段なかなかそういう話はしないので、すごくためになると言ってもらえることもありますね。

白石:
先ほど、副主任になってから見られることも意識していると話されていましたよね。コスプレやモデルの撮影なども人から見られるものだと思うんですが、それも影響しているんでしょうか。

ゆきえ:
そうですね、客観的に自分を見るというのはあります。撮影のときも、きっとカメラマンさんから私はこう見えていて……と想像しながらポーズを変えたりするので。だけど、ずっと見られていると思うとすごく消耗するので、時々思い出す程度ですよ。だんだんそれが自然にできるようになってきているのかなとは思います。

白石:
ゆきえさんのいろんな人とのつながりや視野が広がったきっかけって、いつ頃からそう感じるようになったんでしょうか。

ゆきえ:
看護師なりたてのときは、本当に目の前のことで一生懸命だったと思います。だけど、ひとりの友だちをきっかけにどんどん友だちの輪が広がっていった感覚はありますね。ひとつのつながりを大事にしていくことで、ロリータ界隈でも宝塚界隈でも、人に恵まれているなと思います。いろんな世界で生きている方々と触れ合えるのは本当に刺激になります。人生いろいろあるなと思いながら、それも楽しんでいる自分がいますね。

看護は人対人、患者さんと話す時間を大事に

白石:
それでは最後の質問にいきます。「後輩の看護師に伝えたいことはなんですか」ですね。

ゆきえ:
コロナ禍によって、最近は実習で患者さんとのコミュニケーションがあまりとれないまま卒業して、患者さんと接することのハードルがすごく上がっているのは感じています。だけど、やっぱり看護は人対人なので、ちょっとした時間でもいいので患者さんと話す時間を大事にしてほしいと思います。患者さんが今思っていることや、望んでいることとかがわからないと、看護ケアできないので。

もちろん看護師としてエビデンスにもとづいて、看護ケアを提供しなくてはいけないんですけど、そのなかでも看護力を高めてほしいなと思っているので、どんどん患者さんのもとに行って、何を求めているのかを感じ取ってほしいですね。患者さんもよく見ていると思うんです、あの看護師さんのひとことに救われたとか。一方でその患者さんのひとことが今後の看護師人生のやりがいになってくることもあるのかなと思うので、たくさんの患者さん、ご家族と話していってほしいですね。

白石:
若い看護師さんで、患者さんとかかわるのが苦手という方も実際いるんですか。

ゆきえ:
そうですね、苦手というかすごく緊張するみたいですね。そこは慣れるしかないんでしょうけど、患者さんを目の前にすると緊張してしまってうまく話せないというのはあるようです。やっぱり、誰のための看護なんだろうと考えて、そこは見誤らないでほしいですね。根本がわかっていないと、結局自分に返ってくると思うので。

私も1~3年目くらいのときのほうが、患者さんやご家族から手紙をもらうことが多かったんですよね。個人的にはよく患者さんのところに行って、患者さんやご家族とも話をする時間があったからかなと思うんですけど。リーダーや副主任になって業務量も増えてくるとなかなかベッドサイドに行くことが難しくなってしまうので、新人さんとか若手の看護師さんこそベッドサイドに行ってお話しするのがすごく大事だと思います。

白石:
先ほど、看護力を高めていかないと~とお話しされていましたが、ゆきえさんはそのなかで患者さんとのかかわりやコミュニケーション能力とかを重視しているのでしょうか。

ゆきえ:
そうですね。とくにコロナ禍は面会制限があったことで感じたんですけど、患者さんだけみるとこの病状では家でみるのは難しいかなという方がいて。主治医は「家でみるのは無理でしょ」と言っていても、ご家族が「家でみます」と言って患者さんも「家に帰りたい」と。それで、ソーシャルワーカーにつないでいろいろサービスを調整して、結局自宅に帰ったケースがありました。こういうケースでも対話していかないとなかなか実現しないなと実感していて。とくにその患者さんは自分からそういうことを話さないタイプだったので、こちらから聞きに行って話をしたことでわかったんですよね。看護師はそういう役割があると、大事だなと思いました。

しんどいことはずっとは続かない、なんとかなるという気持ち

白石:
これまでのゆきえさんのお話を聞いていると、すごく前向きで積極的で、行動力があるイメージですが、若手のときとかしんどかった時期とかはなかったんですか。

ゆきえ:
しんどかったですけど、奨学金を借りていたので5年は働かないといけないと覚悟を決めていたのと、元々忍耐力はあるんだと思います。しんどいことがあっても、まぁずっとは続かないし、とりあえず行けばなんとかなるだろうという気持ちでいましたね。怖い先輩もいましたけど、何年か経つと人間関係ってできてくるし、その先輩も1年目2年目に対して目を光らせていかないといけない立場だったのかなと、今になって思ったりして。自分も同じ立場の年数に上がったときに感じるところもあって。あとは同期がいたことも大きくて、頑張れたのはありますね。しんどいことがあっても、失敗を活かして次どうしたらいいかと切り替えているんだと思います。

白石:
普段からもそういう思考なんですね。

ゆきえ:
そうですね。きっかけがあったりもするんですけど。患者さんのことでいえば、ターミナルの方で倫理的な問題も絡んでいて急変時の対応が決まっていなくて。そうこうしているうちに、急激に病状が悪化して亡くなられたんです。そのとき、どうしてあげればよかったのかなと病棟内でも大きく議題にあがったことがあって。失敗とは違うかもしれないですけど、もっと患者さんやご家族へのケアでできることがあったんじゃないかと。その患者さんの死を無駄にせずに、亡くなった後でも本当にこれでよかったのかと振り返って次の看護に活かしていかないといけないと常々思っていることではあります。

白石:
そうですね。ゆきえさんが先ほど、患者さんのひとことが自分のやりがいとか支えてくれるという話がありましたが、なにか思うエピソードがあるんでしょうか。

ゆきえ:
入院している患者さんって何カ月と長い方もいますけど、数日の簡単な手術で帰られる患者さんもいるんですよね。手術を前にしてすごく緊張して不安があって。でも、看護師からしたら「そんな局所麻酔の手術なのに」って思う人もいるかもしれません。だけど、患者さんからするとやっぱり不安で、そう思いながら声をかけて対応したときに、あとから「優しく説明してくださって不安なく治療を受けられました。ありがとうございました」とお手紙をいただいたんです。そういうときもこちらの主観ではなくて、患者さんの目線に立って看護すると、患者さんから感謝していただけたりするんだなというのは実感します。

一方で、ターミナルの方で私のプリセプティが長く見ていた患者さんのことは今でも忘れられません。その患者さんが退院したあともどういう様子で生活されているのか、師長さんから許可をいただいて自宅に行ったことがあったんです。すごく楽しそうに過ごされていて「また夜勤明けでいきますね」と言ってその日は帰ったんですけど、その夜勤明けの日がとにかく大変で忙しい夜勤だったんです。それで、プリセプティの子とちょっと今日はやめて別の日にしようかと話して、ご自宅に電話を入れたんですけど、その後に亡くなったと連絡をいただいて……。

あの日行っておけばよかったなと……やっぱり、同じ日は2度とないので。看護師として毎日看護するのすごく大変だと思うんです。だけど、自分のそのひとことで患者さんが救われたり、こちらが救われたりするので、思いやりを持って接することってすごく大事だなって。自分のなかでも一生残るので……。日々後悔のないように看護してほしいなと、思います。

白石:
ゆきえさんが単に患者さんのことを考えましょうというだけでなく、自分の看護がどのように患者さんに影響していくのか、その先の細かなところまで感じとろうとしているのが伝わるエピソードでした。今日はありがとうございました。

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いざっというとき、あなたは動けますか? 精度高い心肺蘇生ができますか?


たかが「心肺蘇生」とあなどってはいけません!
・BLSの流れを復習します。いかに早くBLSを実施できるかが救命率にも直結します。そして、胸骨圧迫は強く・早く・絶え間なく。リコイルを意識して!
・心肺蘇生の現場でよく遭遇する場面や疑問点を取り上げつつ、受講者の不安や悩みに寄り添って解説します。
・実践知識を、経験豊富な救急医からキャッチーなイラストで“楽しく”学べば、「私もできるかも!」と自信がつきます!

プログラム


1 心肺蘇生が必要かどうか、どう判断する…? (12分)
・まずは近づく前に…
・心肺停止の判断方法
・心肺停止の判断が遅れやすい要因
・【質問】心肺停止の判断に悩んだらどうしたらいい…?
・【質問】反応を確認、反応があったらどうする…?

2 心肺蘇生のキホン BLSとは…? (10分)
・BLSの実際の流れを確認しよう
・効果的な胸骨圧迫を身につけよう
・心肺停止遭遇! AEDを正しく使えますか?
・【質問】AEDを使うとき、こんなときはどうしたらいい…?

3 心肺蘇生のキホン ALSとは…? (16分)
・ALSの実際の流れを確認しよう
・心電図波形に応じたアルゴリズムの理解が何よりも重要です!
・ALSで要求されるBLS+αの知識 ~気道管理、除細動
・【質問】BVM換気がとても苦手です…コツはありますか…?

4 心停止の原因検索と心拍再開後の対応は…? (13分)
・PEAの原因を検索する
・ALSで要求されるBLS+αの知識 ~輸液・薬剤
・自己心拍再開(ROSC)後の対応はどうする?
・【質問】チームでうまくコミュニケーションが取れないです…

インタビュアー・白石弓夏さんの著書



Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~

Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~
私もエールをもらった10人のストーリー


今悩んでいるあなたが元気になりますように
デジタルアートや3Dプリンタを看護に活用したり、看護をとおして一生の出会いをつかみ取ったり、在宅のほうが担い手が少ないから訪問看護に従事したり、苦しかった1年目のときの自分を手助けできるようにズルカンを刊行したり、医療と企業の橋渡しをするためにスタートアップに就職したり、悩みながらも新生児集中ケア認定看護師の道をまっすぐ進んだり、ロリータファッションモデルとして第一線で活躍しながら看護師を続けたり、目的に応じて疫学研究者・保健師・看護師のカードをきったり、社会人になってから「あっ、精神科の看護師になろう」と思い立ったり……。 さまざまな形・場所で働く看護師に「看護観」についてインタビューしようと思ったら、もっと大事なことを話してくれた。看護への向き合い方は十人十色。これだけの仲間がいるんだから、きっと未来は良くなる。「このままでいいのかな?」と悩んだときこそ、本書を開いてほしい。

目次


◆1章 クリエイティブな選択肢を持つこと 吉岡純希
◆2章 大きな出会いをつかみ取ること 小浜さつき
◆3章 現実的な選択肢をいくつも持つこと 落合実
◆4章 普通の看護師であること 中山有香里
◆5章 ものごとの本質をとらえる努力をすること 中村実穂
◆6章 この道でいくと決めること 小堤恵梨
◆7章 好きなことも続けていくこと 青木美沙子
◆8章 フラットに看護をとらえること 岡田悠偉人
◆9章 自分自身を、人生や仕事を見つめ直すこと 芝山友実
◆10章 すこしでも前を向くきっかけを作ること 白石弓夏

発行:2020年12月
サイズ:A5判 192頁
価格:1,980円(税込)
ISBN:978-4-8404-7271-5
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