ここには12枚の『問い』が書かれたカードがあります。
ゲストが、それぞれ選んだカードに書かれた『問い』について、インタビューを通じてゆっくり考えていきます。
カードには何が書かれているか、ゲストにはわかりません。
ここでの『問い』とは、唯一の正しい答えがあるものではなく、思考を深め、さらなる問いを生んだり、生涯にわたって何度も問い直したりするような本質的なもの。
そして、ゲストの考えや価値観、人柄に触れるようなものが含まれています。
簡単に答えは出なくても、こうした考える時間自体に意味があるのかもしれません。
いま、少しだけ立ち止まって、あなたも自分や周りの人に問いかけ、想いを馳せてみませんか。
大学卒業後、都内の総合病院に就職。NICU・GCU、小児科病棟で3年間勤務。その後、韓国への語学留学を経て、帰国後はフリーランスとして翻訳、通訳、SNS運用などを担当。2023年5月、Contrea株式会社に正社員として入社。動画制作のマネジメントを経て、現在はマーケティング部門の立ち上げに携わる。現在も同部門で、医療現場のニーズを汲み取りながら、サービスの認知拡大や営業支援に取り組む。
小児科4年、整形外科・泌尿器科・内科系の混合病棟3年、その後、派遣で1年ほどクリニックや施設、ツアーナース、保育園などさまざまなフィールドで勤務。現在は整形外科病棟で非常勤をしながらライターとして活動して5年以上経つ。最近の楽しみは、仕事終わりのお酒と推しとまんが、それと美味しいごはんを食べること。
ロールモデルが見つからず、迷いながらの3年間
白石:
貴美さん、今日はよろしくお願いします。まず、これまでのご経歴から教えていただけますか。
河瀬:
大学卒業後に、都内の総合病院で、最初はNICU・GCUで働き、その後小児科病棟に異動してトータル3年間勤務しました。その後、韓国に語学留学をして、留学中は韓国のPRマーケティング支援会社で働き、帰国後はフリーランスとして、SNS運用やライター、翻訳、通訳業務を行っていました。
その中で、今所属しているContrea株式会社(以下、コントレア)に業務委託としてかかわるようになり、2022年5月に正社員として入社しました。今はマーケティング部門で、弊社のプロダクトのターゲットとなる先生方や看護師さん、サービス導入にかかわる事務部門の方々と、どう接点を持てるかを考える業務を担当しています。
白石:
小児科は希望されていたんですか?
河瀬:
元々ずっと小児科に行きたいという思いがあって。子どもが好きで、特にプレパレーションに興味を持っていたんです。どうしたら子どもに治療を納得して受け入れてもらえるか、すごく興味があって。
白石:
私も小児科の出身なんですけど、プレパレーションに興味を持って小児科を希望するって、ちょっと珍しい理由ですね。
河瀬:
子どもが好きなゆえに、不安や恐怖を感じながら治療を受けている子たちをどうにかできないかなという思いがあって。ただ、私が入職した病棟にはCLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)という専門家の方がいらっしゃったので、実際は私がプレパレーションを直接行うというより、CLSさんへの橋渡しや、ご家族への説明といった前工程の調整がメインでした。
白石:
3年で病院を一旦退職されたのはなにか理由があったんでしょうか。
河瀬:
正直な話をすると、大学に入って病院に入職する前にも、ずっと看護師として働くかどうか悩んでいました。それもあって、看護師だけじゃなくて、保健師の資格を取ろうとか、養護教諭の資格を取ろうと考えながら学生時代は過ごしていました。
病院に入って、自分の中でロールモデルになる方がいたり、どういう風にキャリアを伸ばしていくのか明確になるのであれば、ずっとその病院で働くことも選択肢の一つと思っていました。しかし、実際に入職してみると、患者さんや患者さんご家族と向き合いたいと思っても業務に追われてしまう状況で理想と現状とのギャップがあったり、憧れの先輩方の退職も続き、今後のキャリアについて答えが出ないまま3年が経ちました。
また、看護師とは違う職種にも挑戦してみたいなという想いもあり、キャリアを変えるんだったら20代のうちに考えたほうがいいかなって思ったのが理由ですね。
白石:
学生のときから、看護師を続けるかどうか悩んでいたんですね。
河瀬:
そもそも看護学部に入学したときも、看護師に対して、どういう業務をするのかという解像度が低くて。実際に大学で勉強してみると、興味がある領域や分野もあったのですが、自分が実際に病院で働いている姿が、想像つかなかったんです。
当時、高校生のときに英語が得意で、海外で働きたいなとか、国際系の学部に進みたいなって思っていたんですね。ただ、当時はリーマンショックの影響もあり、就職難が騒がれるタイミングだったこともあって、絶対にこの道に進みたいという強い意志がないのであれば、自分が向いていると一般的に言われている職業についたほうがいいのかなと思いました。
高校生のときに適性検査を何回か受けて、「あなたは医療、介護の仕事に向いています」という結果が出て、その一例として看護師が挙げられていて。海外で働きたい、英語を使って仕事したいという思いがあっても、看護師という資格があれば、JICAで途上国支援をされている方もいれば、留学して現地で働かれている方もいる、という選択肢がありました。自分の中では、海外で働く一つの手段として資格を取るという形だったので、うまく医療現場で働くことがリンクしなかったんだろうなと思いました。自分の気持ちや考えというよりも、結構合理的に選んだというのも要因として大きいかもしれないですね。
語学留学、そして偶然が重なって見つけた新しい道
白石:
そこから語学留学を決めたんですね。なんで韓国だったんですか?
河瀬:
やっぱり海外に行きたいなという気持ちが強くなって、就職した病院自体も国際協力に積極的な病院で、同期も将来海外に行きたいとか、先輩方も病院を辞めた後に留学やワーキングホリデーに行かれる方が多かったんです。
私も辞めた後は、どこか留学したいなという気持ちがあったので、英語圏に行こうかなと考えていました。ただ、病院を退職する直前に、韓国人の患者さんを受け持つ機会がありまして、韓国語をちょっと勉強して使ってみたりしたら、結構喜ばれて。元々韓国の音楽を聴いたりしていたこともあって、この語学って面白いな、もっと勉強したいなと思ったんです。
もう一つは医療とは別のことに没頭したいという気持ちもありました。ちょうど患者さんのご家族に「これからどうしようか迷っている」と話したら、「韓国語うまくなりそうだし、留学してみたら?」と背中を押してくれて、それで韓国に決めました。
白石:
そこでマーケティングの会社で働き始めたんですよね。
河瀬:
当時、私が取得した韓国のビザだと、入国して半年経ったら特定の条件内であれば働けるものだったのですが、逆に言うと留学を始めて半年間は全く働けないんですよね。大学生のときもバイトをしていて、就職して3年間働いた後、初めて留学生になったときに、どんどん銀行の残高が減っていって(笑)、留学してはじめてお金が尽きていく恐怖心を味わったんです。留学して時間があるし、働けるという条件があるんだったら、どこかで働いてみようと思って職を探しました。その中で韓国コスメのPRマーケティング支援会社があるのを知って、そこに応募しました。
韓国で働いた当初は興味がある仕事を探そうというより、留学生活のなかでお金がなくなっていく恐怖心のほうが強かったです。最初は化粧品の製品資料の翻訳業務や、データ入力、PR先への商品発送などの業務からはじめて、だんだんと自社のSNSアカウントの撮影をするようになって、せっかくやるんだったらSNS運用もできたほうがいいかなと思って、自分で勉強しながら働いていました。
現地就職を検討するも、冷静に選んだ帰国という決断
白石:
その後、帰国される際にはどのようなことを考えたんですか。
河瀬:
留学しながら現地就職するかすごく悩んで。せっかく1年ちょっと留学したし、韓国語が使えるし、これからのキャリアもすごく悩んでいたので、韓国でも就活をしていました。ただ、現地就職するにあたって、自分の経歴だとビザを新しく取るために転職できる職種が限られていたんです。ビザを取得して韓国に住むという観点では、就職しやすい環境ではあったと思うのですが、今後その環境で外国人としてキャリアを伸ばしながら韓国で生活するのは現実的に難しいなと……。
白石:
現実的に難しいというのは。
河瀬:
自分の経歴で応募できる職種の条件を見ていくと、収入の面でも不安があって。それに、留学をしながら現地で働く立場になって初めて見えてきたことも多かったんです。5年後、10年後もここで暮らし続けている自分を、うまく想像できなくて。韓国が合わなかったというより、外国人としてキャリアを伸ばしていく道筋が、自分の中で描けなかったという感覚に近いです。
自分は将来どのような生活をしたいのか、どのような仕事をしていきたいのかを考えていくうちに、帰国するほうが正しい判断なのかなって思いました。
フリーランスを経て、「課題を解決できる」仕事に出会う
白石:
帰国して戻ってきてからは、フリーランスとして働かれていたんですね。それは次の仕事を探すつなぎの期間として、でしょうか?
河瀬:
つなぎの期間というより、普通にフリーランスとして働こうと決めましたね。自分の中ではやっぱり韓国語で仕事をしたいなという気持ちがあるものの、ニーズとしては多くないので。韓国語で通訳翻訳する、SNSのマーケティングもできる、ライティングもできるとなったときに、一つのスキルでどこかの会社に就職するというよりは、自分でいくつかのスキルを掛け合わせてまずやってみたほうがいいかなって思いました。
そして、いろいろな縁やタイミングが重なり、業務委託として、コントレアで動画制作を始めました。コントレアが提供しているのは、MediOS(以下、メディオス)というプロダクトです。手術や検査、入院の説明を患者さんにアニメーション動画で見てもらえるようにして、紙で運用していた同意書や問診を電子化するものでした。問診票を患者さんが紙に書いて、それを看護師さんが手打ちで入力して、読めなかった字を患者さんの部屋にまた確認しに行く。メディオスがあることによって、医療現場の非効率性が解消されるんだ、と思ったんです。
それに、患者さんが事前に治療について理解して準備できる状態をつくることで、結果的に医療者の負担も減るという考え方に惹かれました。
白石:
それで正社員になることを。
河瀬:
そうですね。ただ、自分の中で懸念点としては、フリーランスで頑張ろうとなって、半年から1年も経たない間にオファーをいただいて、自分の中でまだ他にやりたいこともあるし、フリーランス2年目はこうしていこうという目標がある中で、どうしようかと悩みました。それから、私が当事者として「いいな」と思ったから医療機関にニーズがあるというのはまた別の話だと思っていたんです。本当にビジネスとして成り立つのかなという気持ちもありました。
でも、自分の興味関心がある、自分も課題を感じている分野で仕事ができるという環境って、すごく恵まれているなって思ったんです。自分が当事者として、原体験として、課題として感じていた分野で働けるのはなかなかないなと思いましたし、社会課題であったり、その病院の人たちが課題になっているものを解決できるプロダクトが、必要とされ社会を変えていくのだとしたら、嬉しいなと思いました。
当時いたメンバーたちも、必死に、一つでも多くの病院に使っていただけるよう奮闘している姿を間近で見ていたので、自分もそこに懸けてもいいかなと思って、2023年の5月に入社しました。
看護師の経験を活かす、マーケティングという仕事
白石:
入社後から現在に至るまでは、どういうお仕事をされていったんですか。
河瀬:
引き続き動画制作のマネジメントを担当していました。1年経ったタイミングでそのチームを大きくしていく形で新しいメンバーが加わり、その部門のマネージャーに。そして2024年の夏、入社して1年ちょっと経った後に、マーケティング部門の立ち上げを行いながら、リーダー、マネージャーも兼任するようになりました。
どうしたら適切な人(ターゲット)に最適な方法でメディオスを知ってもらえるかということをしています。
白石:
看護と通ずるものがあるように感じますね。看護師の経験が活きていると感じることはなにかありますか。
河瀬:
たとえば、診療報酬改定や医療政策が変わったときに「ここのポイントはメディオスと関連あるから注視したほうがいいな」と判断して、施策に落とし込めるところですかね。
あとは、プロダクトのアップデートや新しい機能を開発するときに、病院の方に使ってもらう前に社内で確認する工程があるんですけど、そこで、病棟でラウンドしてメディオスを触るとなったとき、このボタンがここにあったらいいなとか、この画面だったらいいなと想像しながら、フィードバックをプロダクトチームにできたりもします。
白石:
なるほど。ただ、今後その現場感覚はだんだんと薄れていってしまうということもあると思うんですけど、その点はどのように考えていますか。
河瀬:
現場感を忘れないようにするには、学会や展示会などでお会いする方とお話をさせていただいたり、導入病院の方々にお話を伺ったり。社内にも直近まで現場で働かれていたメンバーもいるので、そのメンバーに聞いたりしています。現場を離れる期間が長くなれば、感覚は薄れていくものだと思います。だからこそ、いま働いている方がメディオスに触れたらどう思うかを想像できるよう、情報は意識して更新しています。
大切にしているのは、礼儀とリスペクト
白石:
それでは、ここで質問のカードを引いていただきたいんですけども。こちらから好きなものを選んでください。
河瀬:
左から3番目で。
白石:
「あなたが今怒っていること、なにも気にせず怒っていいと言われたらなにに怒りますか」。
河瀬:
難しいですね(笑)。義理人情ではないですけど、前提のリスペクトや思いやり、そういうのにちょっと欠ける行為に関しては厳しいほうかもしれないです。コミュニケーションを大事にして働きたいって思いがあるので。そういうものに欠ける行動をされたときは、多分人より怒ると思います(笑)。
病院で働いている時も、自分がどのように動くとチームが円滑に回るかというのは考えていたかもしれません。こういう伝え方や質問を先輩にしたら、先輩の確認の回数が増えちゃうから、自分でここまで詰めてとか、ここまで考えた上で先輩に質問しようとか、そういったことは意識していたと思います。
白石:
確かに大事ですよね。人と働く上で。お互いに最低限でもリスペクトの気持ちがあったら、そんなに仕事がしんどくならないんじゃないかと思うんですけど。
河瀬:
自分もまだまだここをこういうふうにすると良かったなと思うことは多くて、尽きない課題だなと思います。リスペクトを持ってとか、思いやり持ってとかよく言われますけど、じゃあ実際なにをするのって言われると、人それぞれ考えていることって違うと思うんですけど。私は、どうしたら相手が仕事しやすいかなって考えているかもしれないですね。こういうふうに事前に共有したらとか、事前に相談したほうがいいかなって思ったものは、なるべく事前に相談する。それで自分の仕事が増えたとしても、そこは、共有すべき人、相談すべき人に相談する。相手の立場や、状況をイメージして動くようにしています。
白石:
ただ、相手の顔色をうかがいすぎちゃうのと紙一重になっちゃう気もするんですけど、なにか自分の中で区別していることってありますか。
河瀬:
内容を変えるのか、伝え方を変えるのかの違いかもしれません。伝えるべきことなのに、相手の反応を気にして言わないでおくのは、たぶん顔色をうかがいすぎている状態だと思うんです。でも、伝える内容は変えずに、どう伝えたら受け取りやすいかを考えるのは、必要な配慮だなと。
顔色をうかがうことが全くないわけではないんです。ただ、考えすぎて動きが遅くなるのは避けたいと思っています。急に発生したタスクを誰かにお願いしないといけない場面や、チーム内外のメンバーに協力を仰ぐ場面はどうしてもあるので。そういうときは、なぜ必要なのかという背景も含めて伝えた上でお願いすることを意識しています。まだまだ意識していても、完全にできているかと言われると反省する部分も多いですが……。
「医療にかかわる全ての人に安心を。」という世界を目指して
白石:
今、貴美さんがしている仕事って、どういう状態になったらいい状態だと思いますか。
河瀬:
メディオスが、一つでも多くの医療機関で使われて、実際に使われた医療者の方々から「メディオスってこういうプロダクトだよね」とか、「メディオスを使ったからより自分のすべき業務ができるようになった」という声が一つでも多くあるといいなと思っています。もちろん医療者だけでなく、患者さんもメディオスに触れるので、メディオスがあって良かったなと思っていただける人が1人でも増えたらいいなと思っています。
私たちの会社のミッションが、「医療にかかわる全ての人に安心を。」で、患者さんやそのご家族、そして医療者も含めた、医療にかかわるすべての方が安心できる世界を目指しています。メディオスがあったことで、自分が知らなかった病気や、手術のことが知れて、治療に臨めたとか。そういう世界が実現できたら嬉しいですね。
白石:
動画で検査や手術のイメージができるのは大きいですよね。
河瀬:
医療者側としては、同じ内容の説明を、患者さんごとに何度も繰り返すシーンがあると思うんです。その部分を動画が担うことで、繰り返しの負担が減って、本当に時間をかけたい対話やケアに時間を使えるようになります。機能としても、動画説明だけでなく、同意書への署名、問診、動画を見ていただくためのリマインドや、禁煙・休薬のご案内などがあります。
メディオスがあることによって、患者さんと医療者の方々のコミュニケーションが円滑になり、患者さんは安心して医療を受けられるという状態があるといいなと思っています。
悩む時期も、向き合った時間も、すべて無駄にならない
白石:
最後に、看護師の後輩へのメッセージをお願いしたいです。読者は学生さんから20~30代の方が多いと思います。
河瀬:
どういうことを考えられている方が多いんですかね。この世代の看護師さんって。
白石:
そう聞かれたのは初めてかもしれないです(笑)。めちゃめちゃマーケターっぽい。よく聞くのは、このまま看護師を続けられるかなとか、辞めたいという人も、自信をなくしているとか。悩みが漠然としている人も多そうです。
河瀬:
悩む時期ですよね。今、社会人10年弱して思うのが、悩みながらも、目の前のことをちゃんと逃げずに向き合うことの大切さですね。自分がなんでこんなに苦しいんだろうって思ったときに、たとえばそれが勉強することで解決されるのであれば、本当にがむしゃらに、将来のこと考えずに勉強する。外部環境でコントロールできない事象じゃない限り、自分で変えられるものや、目の前のやるべきことをちゃんとやる。これって結構大事だなと思います。学生さんでも、これから看護師やっていけるのかなって不安だとしても、国家試験を受けるって決めたんだったら、本当にちゃんと勉強しきる。社会人になって、やりきる力は大事なのかなと思っています。
キャリアチェンジや、方向転換するのは、私もしてきたので、いいかなと思うんですけど。看護師のとき、こういう視点で勉強しておけばよかったなとか、学生のとき、もっと勉強していたら違う世界があったのかなって思う瞬間はやっぱりあって。でも、そのときそのとき一生懸命勉強してきたり、目の前に向き合ってきた時間ってすべて無駄にならない。
今悩んでいることがあったとしても、新しいことに挑戦する決断ができていないのであれば、目の前のことをちゃんとやる、やりきる。環境を変えるという決断をしたのであれば、その決断した自分を信じて、また新しいことに思いっきり挑戦してもらえればいいかなと思います。
白石:
貴美さんもすごく悩んでいた時期があったんですね。
河瀬:
自分も答えが出ないものにすごく悩んでいた時期、それによって力が出ない時期はありましたね。でも、悩んでいることと目の前にある事象を切り離してちゃんと実行するって大事な能力だなって。仕事をするにしろ、やる気がないからという話と、成果を出すという話は別だなって思います。
そこをちゃんと切り分けてできる人は、病院じゃなかったとしても、どの世界に、どの環境に行っても、道が開けるんじゃないかと。自分で自分なりの成功を掴める人だと、最近いろいろな人と会うなかで思うんですよね。限界だなとか、ここまでは頑張ったって思えるだけをやれば、私はできるということは大事だと思っています。妥協している瞬間や、手抜きをしている瞬間があるんだったら、ぐっと踏ん張ってギリギリまでやる。やっぱりそれは大事かなと思います。
インタビュアー・白石弓夏さんの著書
私もエールをもらった10人のストーリー
今悩んでいるあなたが元気になりますように
デジタルアートや3Dプリンタを看護に活用したり、看護をとおして一生の出会いをつかみ取ったり、在宅のほうが担い手が少ないから訪問看護に従事したり、苦しかった1年目のときの自分を手助けできるようにズルカンを刊行したり、医療と企業の橋渡しをするためにスタートアップに就職したり、悩みながらも新生児集中ケア認定看護師の道をまっすぐ進んだり、ロリータファッションモデルとして第一線で活躍しながら看護師を続けたり、目的に応じて疫学研究者・保健師・看護師のカードをきったり、社会人になってから「あっ、精神科の看護師になろう」と思い立ったり……。
さまざまな形・場所で働く看護師に「看護観」についてインタビューしようと思ったら、もっと大事なことを話してくれた。看護への向き合い方は十人十色。これだけの仲間がいるんだから、きっと未来は良くなる。「このままでいいのかな?」と悩んだときこそ、本書を開いてほしい。
目次
◆1章 クリエイティブな選択肢を持つこと 吉岡純希
◆2章 大きな出会いをつかみ取ること 小浜さつき
◆3章 現実的な選択肢をいくつも持つこと 落合実
◆4章 普通の看護師であること 中山有香里
◆5章 ものごとの本質をとらえる努力をすること 中村実穂
◆6章 この道でいくと決めること 小堤恵梨
◆7章 好きなことも続けていくこと 青木美沙子
◆8章 フラットに看護をとらえること 岡田悠偉人
◆9章 自分自身を、人生や仕事を見つめ直すこと 芝山友実
◆10章 すこしでも前を向くきっかけを作ること 白石弓夏
発行:2020年12月
サイズ:A5判 192頁
価格:1,980円(税込)
ISBN:978-4-8404-7271-5
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