インスタグラム @sugar.openurse
やっと手術が終わりホッとしたのもつかの間、また次の壁が立ちはだかりました。
言葉の壁です。術後、失語症になりました。腫瘍が大きかったこと、言語の領域に浸潤していることが予想されていたので、術後にうまく喋れなくなるかもしれないことは覚悟していました。ですが、私は術後から短い会話はできていました。“あぁ、良かった……普通に喋れる!”そう思っていたのですが……。
脳外科の先生に「今日は何月何日ですか?」と聞かれても、なんと答えればいいかわからないのです。質問の意味は理解できます。床頭台に置いてある時計を見れば“11月5日”と表示されています。“11月5日”という意味は理解できます。ですが「じゅういちがつ、いつか」が伝えられません。どうしても言葉が出てこないんです。自分の中では理解しているのに伝えられないもどかしさに苛立ちが募ります。“早く、早く治らなきゃ!”
入院中は毎日リハビリ室に通いました。私のリハビリは、小学校のお勉強をしているように見えると思います。イラストを見て「これはなんですか?」「えっと……“おせなか”……違う、“おかさな”……違う、“おさかな!”(お魚)」なんてやりとりをしています。単語が出てこなかったり、言葉があべこべになってしまいます。
覚悟をして手術に挑んでいたのに、だんだん心が弱くなっていきました。一番困ったのは、数字です。私は「4」と伝えたいのですが、口から出てくる言葉は「なな」。思っている数字と違う数字を言ってしまいます。私の仕事は手術室看護師です。このままでは、器械や針、ガーゼカウントができません。ST(言語聴覚士)さんは「リハビリを続けていけば、改善していきますよ!」と励ましてくださいましたが、本当にショックでした。
術後2日目のLINE画面です。最初は言葉だけではなく、文章を書くことも難しい状況でした。今も単語が出なかったり、文章構成にとても時間はかかりますが、このエッセイが書けるようにはなりました。リハビリの成果です!
本コラムは『OPE NURSING(オペナーシング)』2023年6月号からの再掲載です。

▶最新号の特集・目次はこちら
経験に学ぶ、周術期看護力アップの近道
本誌でしか得られない、認定看護師の実例とアドバイスを含む解説で、学習効果30%UPを目指します。自己学習と後輩指導をもっとスマートに。
手術室スタッフの教育支援と業務効率30%UPの実現へ
・周術期看護を1年で体系的に学べるラインアップで教育満足度向上。
・他施設の業務ハック共有で業務時間を削減。
・運用モデルの共有で導入・チーム立ち上げの時間コストを削減。
▶最新号の特集・目次はこちら
★ 最新の脳神経領域の治療・ケアを、1冊で効率よくキャッチアップ!
★ 深い知見が得られる専門誌。自己学習や後輩指導にかかる時間の20%削減を目指します。
★ eラーニングでは得られない、深掘りした専門知識が幅広い用途で活用できる
院内研修や勉強会資料としても最適。教育コスト削減につながります。
