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環境表面に付着しているSARS-CoV-2*がどのように人間に伝播するか、考えてみましょう。まず、COVID-19の患者がウイルスで汚染した手指でドアノブなどの高頻度接触面に触れ、その部分にウイルスを付着させます。その後別の人が触れることで、手指にウイルスが移動し、そのまま眼や鼻の粘膜に触れることによって感染します。したがって、「ウイルスが環境表面で生存できる期間」を知ることはきわめて重要です。
SARS-CoV-2が環境表面にどれだけ生存することができるかの研究結果があります1)。この報告によれば、「銅の上では4時間以内、ボール紙の上では24時間以内、ステンレスやプラスティックの上では最大3日生存できる」そうです。
したがって、ウイルスが付着してから数時間以内の環境表面に触れると、生きたウイルスが手指に付着する可能性があります。逆に、ウイルスは環境表面に3日以上生息できないであろうと推測されることから、患者の退院時は3日ほど部屋を放置しておき、ウイルスが死に絶えたところで清掃に入れば、清掃スタッフが感染する危険性はなくなります。
*:COVID-19の原因ウイルス
1)Doremalen,NW.et al.Aerosol and surface stability of HCoV-19 (SARS-CoV-2) compared to SARS-CoV-1.
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.03.09.20033217v2.full.pdf
#001 COVID-19の感染対策
#002 COVID-19の臨床症状、重症度、致死率
#003 COVID-19のCT所見と治療
#004 COVID-19の伝播するスピード