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COVID-19の患者は感染症病棟に隔離され、標準予防策に加えて、接触予防策と飛沫予防策が実施されます。患者は病室や病棟の外に出ることが制限され、医療従事者はガウンやマスクや手袋を着用して入室します。そのような状況では、精神的な動揺がみられても不思議ではありません。「この感染症が重症化して、死ぬことはないだろうか?」「治ったとしても、近隣の人たちはどう思うだろうか?」「家族や友人に感染させていないだろうか?」などと不安になってしまいます。
こういった不安や精神的な動揺を経験するのは患者だけではありません。COVID-19の患者をケアする医療従事者も同様に経験しています。「自分が感染したら、どうなってしまうのだろうか?」「子どもに感染させたら、長期間の入院となり、勉学が遅れてしまうかもしれない」「祖父母に感染させたら、重症化させるかもしれない」などと心配になります。そして、メンタルなストレスが蓄積されて、疲労が取れないなどの症状がみられるようになります。
このような患者や医療従事者の精神的ダメージを早期に発見する努力が必要です。患者は感染症病棟から出ることはできないので、精神科医や臨床心理士などに相談して適切な対応を行います。医療従事者については勤務を交代するとか、感染症病棟への入室頻度を減らすなどを考慮します。
#001 COVID-19の感染対策
#002 COVID-19の臨床症状、重症度、致死率
#003 COVID-19のCT所見と治療
#004 COVID-19の伝播するスピード
#005 SARS-CoV-2が環境表面に生息できる時間
#006 COVID-19の患者は発症前から感染性があるか?