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2026年9月に書籍『ねころんで読める小児てんかん・けいれん』 が刊行されました。愛称は「小児ねこてん」。あの大ヒット書籍、「ねこてん」こと『ねころんで読めるてんかん診療』 (中里信和先生著)の姉妹本です(=^・^=) 著者の三谷 納先生に、小児てんかん・けいれんの理解のポイントや本書の活用法についておたずねしました。





★本書「小児ねこてん」は、「ねこてん」の姉妹本、小児版という位置づけですが、本書を書くことになったきっかけを教えてください。

てんかん専門外来を始めたのが医師6年目ですが、非常勤医の外来に陪席するのみで、本格的な専門研修は受けることができず、ほぼ独学の状態でした。何冊も本を読みましたが、正直、難しかった。その際に出合った一冊が、中里信和先生の「ねこてん」です。読みやすく、いい意味で堅苦しくない。そして実際の経験に基づいた考え方。衝撃でした。そこから「ねこてん」をベースに、教科書を開いて情報を追加する。そのような勉強方法で知識を身に着け、自分の診療スタイルを作り上げました。

医師10年目を過ぎた頃、私は一から培ってきた診療スタイルを、何らかの形で世に残したいと思うようになりましたが、何もできずにいました。2022年に仙台で開催された中里先生主催の日本てんかん学会学術集会に参加し、「こんな自分にもできることがある。行動しなければ!」と本気で思いました。それが本を書いてみたいと思ったきっかけです。でも、「ねこてん」の姉妹本という形が私のデビュー作になるとは思っていませんでした(笑)

★そもそも、小児と成人のてんかんはどう違うのでしょうか?

脳の神経細胞の過剰な興奮によって発作が起こる、という基本は同じです。ただ、小児では年齢や発達の段階によって、現れやすい発作やてんかん症候群が変わります。成人発症の場合は、ほぼ治療が終結することが少ないですが、小児の場合は自然終息性てんかんを代表に、思春期前後までに治療が終結するものもあります。また、本人が症状をうまく言葉にできないことも多いので、ご家族や教育機関での様子の確認や連携も重要となります。

そして、発作が止まればそれで終わり、ではありません。日々の生活、神経発達症を代表とする併存症等への影響も一緒に考える必要があります。成長すれば、本人が病気を理解して治療に参加し、やがて、場合によっては成人科へ移ることも視野に入れる必要が出てきます。子どもの「今」と、その先の人生を続けて診ていくところに、小児てんかん診療の特徴があると思います。

★「てんかんや神経疾患は難しそう、ニガテ…」という声を聞きます。非専門医でも、これだけは知っておいてほしいポイントは?

「脳波を判読できないと」「細かくて多い発作分類や症候群を把握・理解できないと」という気持ちが先行し、難しく感じたり、ニガテさを感じる方が多いように思います。私も昔はそうでした(^^;)

でも、試行錯誤していくうちに気づいたことがありました。一番重要なのは情報を聞き出すこと、つまり問診です。発作の前に何をしていたか? 発作はどのように始まり、どれくらい続き、終わった後はどうだったか? ここを正確に聞き出すことが最も大事です。発作自体を診るのではなく、患者さんそのものを診る。このことが大事だと気づき、診療が精神的にも楽になったのを、今でも覚えています。

そして、その考え方や診療スタイルは専門家でなくてもできます。情報を聞き出して診察していくのは、小児科医の得意とすることだと思います。脳波判読や細かい発作分類の理解は後からでよい。そのため、本書では問診方法の記載に力を入れていますし、脳波判読法は紹介していません。また、発作分類や症候群紹介も必要最低限しか載せていません。

★ねころんでシリーズは非専門医向けの医学書ですが、小児てんかん・けいれんの特性もあり、啓発もとても大切です。患者さん・ご家族や、教育・療育に携わる方にも読んでいただきたいですね。

初学者や非専門医向けに本を執筆することは、看護師さんや薬剤師さんを含めたコメディカルの方々や、患者さんやそのご家族、患者さんに携わる非医療従事者を対象に執筆するのと同義だと思っています。基本的には、知識ゼロの状態でも、いかにわかりやすく理解しやすいかを追求したのが本書の特徴です。ですので、ぜひ手に取っていただけるとうれしいです。

子どもが長い時間を過ごすのは、家庭や教育機関等の病院外です。そこで周囲の方が、発作をどう見守り、どう対応するかを知っていることは、子どもとご家族の安心につながります。また、コメディカルの方にも救急外来や病棟で発作が起きた時の対応法や観察ポイントを知る手助けとなる一冊です。

基本的には、物語のように読み物としてスッと入りやすいように構成しているので最初から読んでいただきたいですが、調べものとして必要なところだけを調べられるようにも工夫しています。読んでくださる方の立場別ガイドを作成しましたので、ぜひ参考にしてください。




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書籍のご案内


『ねころんで読める小児てんかん・けいれん』

ねころんで読める小児てんかん・けいれん
てんかん症候群、熱性発作、神経発達症、問診、処方や生活のポイントまでやさしくわかる

「ねこてん」姉妹本となる小児版が登場!
非専門医向けに有病率1%のてんかん診療をわかりやすく解説して大ヒットとなった「ねこてん」。一方、小児のてんかん診療は、成人のそれとは大きく異なる。地方での小児神経専門医は多くなく、神経発達症の併存、熱性発作時の対応、移行医療の問題など、非専門やプライマリで診る小児科医、成人科に引き継がれて診る医師が知っておきたい知識や対応がやさしくわかる!

発行:2026年10月
サイズ:A5判 272頁
価格:3,960円(税込)
ISBN:978-4-8404-9177-8
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『改訂2版 ねころんで読めるてんかん診療
』

改訂2版 ねころんで読めるてんかん診療
発作ゼロ・副作用ゼロ・不安ゼロ!
患者には先に読まれたくない

「ねこてん」、8年ぶりに待望の改訂!
てんかんは有病率1%の「ありふれた病」。その診療を担う多くは非専門医で、診療科も多岐にわたる。患者は小児から高齢者まで幅広く、脳波の判読は難しく、薬剤の処方は悩ましい。そんな医師たちに愛読された本書が、満を持して改訂! 2017年分類での用語改訂に準拠し、大幅に「薬剤」解説を追加。EpiPick日本語版も紹介し、治療や生活なども最新知見にアップデート。ねころびながら、てんかん診療の最前線がわかる!

発行:2024年9月
サイズ:A5判 216頁
価格:3,960円(税込)
ISBN:978-4-8404-8519-7
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