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事例

Aさん(24歳、女性)は、20歳の時に会社の健診で糖尿病を指摘され、近医でSU剤を開始しました。22歳頃より次第に血糖が上昇し、SU剤を最大量まで増量しましたが血糖値は下がらず、数か月前より血糖が急上昇し、痩せてきたため入院となりました。肥満、飲酒歴、喫煙歴なし。空腹時血糖260mg/dL、HbA1c13%、血中Cペプチド0.4ng/mL、尿ケトン(+)、抗GAD抗体強陽性でした。

問題

 Aさんは、インスリン自己注射が導入され、超速効型インスリンを朝食前4単位、昼食前6単位、夕食前8単位と、持効型インスリンを眠前に5単位注射しています。入院時に比べ血糖値は落ち着いてきましたが、朝食前98mg/dL、昼食前103mg/dL、夕食前156mg/dLであり、夕食前が高めです。どのような対応が必要と考えますか。
<正解率50%>

(1)夕食前のインスリンを増量する。

(2)昼食前のインスリン量を増量する。

(3)夕食の食事量を減量する。



… 正解は …











(2)

解説

(1)⇒夕食前のインスリンを増量するのは、眠前の血糖値が高いときです。
(2)⇒昼食前のインスリンを増量するのは、夕食前の血糖値が高いときです。
(3)⇒入院中に決められたバランスのよい食事が提供されているため、夕食の量を減らす必要はありません。

インスリン量の決定に重要なのは、血糖値に対する責任インスリンがどれかということです。超速効型インスリンは食事で上昇する血糖値を低下させるインスリン(追加分泌を補うインスリン)であるため、夕食前の血糖値が高かった場合、昼食で上昇した血糖値に対するインスリン量が不足していたために、夕食時に空腹時正常値まで戻ることができなかったと判断できます。すなわち、その時の血糖値に対する責任インスリンは、ひとつ前(昼食前)のインスリンということになります。

※2021年8月4日掲載の再掲載です。