「救急外来(ER)など多くの患者さんが訪れる場では、診療を受診順に行っていてはマズい患者さんがいます。救急車で受診した場合には、事前情報や病着時の状態を把握し対応することができますが、walk-inの場合には診察まで誰も気にかけなければ、待合室で状態が悪化しかねません――そこでトリアージの出番です。」
エマログ2022年春季増刊『ERナースの思考加速トリアージ』がこのたび刊行されました。刊行を記念しまして、4月30日にオンラインセミナーを開催いたします。坂本 壮先生(総合病院国保旭中央病院 救急救命科 医長・臨床研修副センター長)に本書のことと、今回のセミナーについてお話しを伺いました。
――このたびは『ERナースの思考加速トリアージ』の刊行おめでとうございます。坂本先生の単著で「看護師向け」で「トリアージ」をテーマにしたものは初めてかと思いますが、どんな1冊になりましたでしょうか?
救急外来診療においてトリアージは非常に大切です。それを担っている看護師さんの役割は大きく、心理的安定性をたもちながらトリアージを行うことは決して簡単ではありません。
答えを知ってから判断することは簡単ですが、忙しい救急業務の最中、適切なトリアージを行うことは観察すべきポイントを整理していなければ難しいと思います。
トリアージを含む診療が非常に重要であると日々のER診療で痛感しているため、毎日ERナースとやりとりをしているなかでポイントとなる事項をまとめたつもりです。
――「トリアージ」で看護師さんがどんなことで困っていると坂本先生は感じていますか?
患者さんの病歴や主訴が明確であれば、ある程度判断はできると思いますが、主訴からいまいち具体的疾患が想起できない場合には困るのではないでしょうか。
また、胸痛など訴えは緊急性が高いものでも患者本人はそれほど辛そうではないとき、自身のトリアージが「オーバー」なのではないかと悩むことがあるのではないでしょうか。
――このたび、刊行記念オンラインセミナーで坂本先生が伝えたいことを教えてください。
トリアージにおいて何を意識するべきなのか、限られた時間で判断しなければならないため、評価すべきポイントを事前に整理しておき現場で活かす必要があります。患者さんの訴え、バイタルサインから具体的にどのように行動するべきなのかをお伝えできればと思います。
――春になると新しいスタッフが全国のER・救急外来に入職されると思います。先生は新しいスタッフにいつもどんなことを声掛けておられますか?
具体的に「○○と伝えている」と言ったことはありません。もちろん、「悩んだら相談して」的なことは伝えてはいますが、「言うは易く行うは難し」です。そのために、いつでも相談できるような環境づくりを心掛けています。
――最後に参加者へのメッセージをお願いします。
トリアージに関わる必要がある、その時点でみなさんが勤めている病院は非常に忙しいことがうかがえます。そのような環境で迅速に緊急度を判断し対応しなければならない業務に従事することはストレスがあることでしょう。
もしも自分の判断で患者さんが不幸な転帰をたどったら…、アンダーは避けたいけどオーバートリアージをして医師から責められたら…、そんな不安もあるはずです。
今回のセミナーでは、そのあたりも払拭できるようわかりやすく解説するのでぜひご参加ください。
総合病院国保旭中央病院 救急救命科 医長・臨床研修副センター長
日時:2022年4月30日(土) 10時~11時20分(約80分)
申し込み締切:2022年4月28日 昼12時まで!
※予定数に達し次第 受付終了となります
対象:医療従事者
受講料:3,000円
▶ 詳細・受講申し込みはコチラから
定価:3,520円(税込)
刊行:2022年3月下旬
サイズ:B5判
ISBN:978-4-8404-7655-3
▼詳しくはこちら