心理専門職の唯一の国家資格

病院をはじめ、学校や福祉施設、行政機関、企業などでは、数多くの心理専門職が活躍しています。専門職としての知識やスキルの習得や認定に向けては、民間団体や公的団体によってさまざまな資格制度が設けられています。そんななか、心理専門職の唯一の国家資格として2018年から試験が実施されているのが、公認心理師です。

公認心理師は資格制度の目的が、「心理学に関する専門的知識及び技術をもって、心理に関する支援を要する方の心理状態を観察・分析し、関係する多職種との連携を図りながら支援を要する方やその関係者に対して助言・指導その他の心理に関する援助を行い、国民の心の健康の保持増進に寄与する」とされています。公認心理師が行う心的支援は、次の4つが定義されています。

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
(2)心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。

資格の取得に向けては、年1回実施される公認心理師試験を受験し、合格した後に登録を行います。有資格者は病院などの保健医療、児童相談所や福祉事務所などの福祉、学校などの教育、矯正施設などの司法・犯罪、会社などの産業・労働等の分野で活躍することが期待されています。公認心理師が関与する業務を診療報酬の対象にする改定も行われており、チーム医療の一員としての期待が高まっています。

資格情報

資格の取得方法
(1)公認心理師試験に合格する
(2)一般財団法人日本心理研修センターに登録申請を行い、登録を受ける

受験資格
・区分A:4年制大学において所定の科目(25科目)を履修した後、大学院において所定の科目(10科目)を履修
・区分B:4年制大学において所定の科目(25科目)を履修した後、所定の施設で2年以上の実務経験を積む
・区分D1(特例措置):平成29年9月15日より前に大学院において所定の科目(6科目)を履修
・区分E(特例措置):平成29年9月15日より前に4年制大学において所定の科目(12科目)を履修した後、平成29年9月15日以後に大学院において所定の科目(10科目)を履修
※この他にも受験区分あり。詳細はホームページ参照

日程・会場・費用
◎日程
・受験申込受付:2023年2月27日(月)~3月17日(金)※消印有効
・受験票交付:2023年4月26日(水)
・試験日:2023年5月14日(日)
・合格発表および試験結果通知:2023年6月9日(金)
◎会場
東京都、大阪府
◎費用
・受験手数料:28,700円
・登録免許税:15,000円 ※合格者のみ
・登録手数料:7,200円 ※合格者のみ
・変更・再交付手数料:6,100円 ※変更・再交付をする場合のみ

第6回公認心理師試験(2023年実施) 受験者・合格者の状況
◎受験者数:2,020人
◎合格者数:1,491人
◎合格率:73.8%
◎受験区分別内訳(受験者数/合格者数/合格率)
・受験区分A:59人/56人/94.9%
・受験区分B:1人/1人/100.0%
・受験区分D1:310人/138人/44.5%
・受験区分E:1,516人/1,220人/80.5%
※その他の区分はホームページ参照

問い合わせ先

一般財団法人 日本心理研修センター
〒112-0006 東京都文京区小日向4-5-16 ツインヒルズ茗荷谷 10階
TEL:03-6912-2655
E-mail:info@jccpp.or.jp
Webサイト:https://www.jccpp.or.jp/