産業保健と看護 2022年春季増刊「産業看護職のための キャリアアップに活かせる30のスキル」の刊行を記念して2022年7月30日にセミナーを開催しました。セミナーでは、本増刊の編著者である柴田喜幸先生と、実際のワークを通じてキャリアプランを立てながら、産業看護職に必要なスキルを考えていきましたので、ぜひアーカイブ動画でご覧ください。
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柴田喜幸先生にインタビューを行いました!
産業看護職の方を対象とした研修を行っていると、向上心や問題意識の高い方がたくさんいらっしゃいます。一方で、役割や権限があいまいだったり、企画が上司や経営層に伝わらなかったりというもどかしさがあることを感じていました。
そこで、企業の中でさらに活躍し、キャリアを積むには、「これまでの専門性の延長」とは違った能力の開発が必要と思ったのです。
つまり、医療職としての深みに加え、「企業という組織で働く者」の能力です。
専門職という言葉がありますが、看護師・保健師はもちろん国家資格をもった専門職ですね。一方で、企業の中で専門職とは資格を持っているかどうかよりも、「経営に有効な、ほかと明らかな違い」を持っているかどうか、です。その意味では研究も開発も、そして営業も経理も、それぞれに専門職です。
ところで、ほとんどの社員は、組織で働く上で基盤となる「共通基礎能力」を身に付けていきます。それがないと専門能力が活きにくいからです。それらは通常、日々のビジネスや人事制度の中で時間をかけて身に付けていくのです。
一方で産業看護職の多くは、事業場の中にいてもビジネスの現場から少し距離を隔てた環境にあるため、共通専門能力がなかなか身に付きにくいようです。そこで今回の増刊を作りました。
本増刊は、医療機関ではなく、企業で働く医療職に必要と思われる30の能力を挙げ、それを3つに分類しました。この分類は、カッツという経営学者が唱えたものです。具体的には次の通りです。
第1部:コンセプチュアルスキル:組織の中でどう仕事を組み立ていくか
第2部:ヒューマンスキル:対人能力や指導力をどう上げていくか
第3部:テクニカルスキル:医療職・看護職としての能力をさらにどう磨いていくか
そして各テーマを、私が「この方に書いていただきたい」と思った先生に無理やりに近い形でお願いして完成したのがこの1冊です。
この執筆陣とテーマをご覧になった、梶木繁之先生(コンサルタントで本学卒業のベテラン産業医)から「奇跡の特集」という言葉をいただいたほどの珠玉のラインナップになりました。生前に最高の弔辞をいただいたような本当にありがたい話です。
まず、3年後、5年後の自分のありようを考える時間にしたいと思います。
ただ考えるだけでなく、いくつかのフレームを提示しますので、それに則って、具体的な計画、つまりはキャリアプランを立てていただきます。
キャリアプランというと、転職や資格取得、開業など、「外から見えるもの」を考えがちですが、今回はそれもさることながら、「内的なもの」に焦点を当てたいと思います。
そしてその計画の細分化や実行の一端に本書がお役に立てるような構成にしていきます。
ただ聞くだけではなく、手を動かしながら、豊かな未来を探るひとときにしましょう!
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書籍のご案内
本セミナーは、「産業看護職のための キャリアアップに活かせる30のスキル」をもとに、キャリアプランの立て方などについて解説します。
こちらの書籍を事前に読んでおけば、セミナーの理解がより深まります。ぜひお手元にご用意ください。
産業保健と看護2022年春季増刊
企業の規模や業種、組織や体制などによって、また常駐の産業医が存在するか否かによって、産業看護職の果たすべき役割、期待される務めは大きく異なる。そうした状況下でワンランク上の専門職として期待されるラインと、能力開発のヒントを提供することを目的とした一冊。
著者 産業医科大学 産業医実務研修センター 教育教授 柴田 喜幸 編著
定価:3,520円(本体+税10%)
刊行:2022年4月
サイズ:B5判
頁数:216
ISBN:978-4-8404-7798-7
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