循環器疾患領域の看護専門誌「ハートナーシング」は、長年多くの読者の方々に支えられ2022年で刊行35周年を迎えました。皆さまへの感謝を込めて、2022年6月29日に無料のオンラインセミナーを開催いたします。
小誌編集委員およびセミナー講師をおつとめいただく宮本伸二先生(大分大学医学部附属病院 心臓血管外科 教授)と山田佐登美先生(川崎医療福祉大学 保健看護学科 特任教授)に本誌のことと、今回のセミナーについてお話しを伺いました。
「事前の疑問・質問も絶賛受付中です。heart@medica.co.jpまでぜひお寄せください。

――このたび「ハートナーシング」は35周年を迎えます。編集委員を長らくおつとめいただいているお二人は、どのような専門誌という印象を持っておられますでしょうか?

宮本:
最初に3コマ漫画付きのエッセイの連載で「ハートナーシング」と仕事を始めたときは、なんて真面目なお堅い専門誌だなと。「寝ながら手術助手をしていた」と書いたら叱られました。編集委員となってからは、何とかそこにエンターテイメント的要素が入れられないかとがんばってきたつもりです。その集大成と言えるのが第35巻2月号の“マンガでわかる…”の特集*1でした。ついに「ハートナーシング」もこうなった(なってしまった)、と感無量です。

山田:
初心者から中堅看護師まで幅広い層を対象としていますよね。また、月刊誌なので情報がアップデートされている印象です。「循環器疾患は難しい」というイメージが往々にしてありますが、ハートナーシングでは図表の工夫や豊かな色彩によってわかりやすくなっていると思います。その色彩も、比較的、女性が好む感じがしますよね(看護師はまだまだ圧倒的に女性が多いので、効果的ですよね…笑)。マンガも挿入されていますし、専門誌といえども、動きが感じられます。

*1:「マンガでわかる! 循環器疾患の治療のポイント」。PCIや弁置換術など9種類の循環器治療について、看護師の知りたいポイントを解説した特集。すべての治療にそれぞれ、宮本先生原案の4コマ漫画が掲載されている。
ハートナーシング 2022年2月号

今回のセミナーでは、「ハートナーシング」2月号の特集をテーマにしております。「マンガでわかる! 循環器疾患の治療のポイント」、ずばりどこが強みの号でしょうか?

宮本:
油断して4コマ漫画から入ると、これは何の専門誌だったかがわからなくなり、その後読み進むと「あぁハートナーシングだった」と戻ってくる、で、また4コマで……。ラーメンならぬ専門誌の味変が楽しめるといったところでしょうか(笑)。本来、学びは楽しいもの。楽しく循環器治療のエッセンスを学べるはずです。

山田:
いくつかのポイントが明確になっている点がいいですね*2。多彩な情報を含みつつも、それぞれ概略をつかむことができると思います。次のステップへの導入にも、学んできたことのまとめにもなる特集ではないでしょうか。

*2:特集では本文の解説中に、「ポイント」として適宜内容のまとめが掲載されている。

――看護師の方をみていて「苦手そうだな」「理解しづらいのだろうな」と感じるシーンもあるかと存じます。たとえばどのような循環器治療やケアでしょうか?

宮本:
僕は外科医なのでどうしても手術のことを考えてしまいますが、カテーテルも治療も同様で、実際に自分が見たり行ったりしていないことを体の中でされてしまっている患者さんのケアは難しいと思います。言い方は悪いかもしれませんが、何がされているかを正確に理解していないと、あてずっぽうの形だけのケアになりかねないです。

山田:
今でも心電図への苦手意識は見受けられます。それと、日進月歩で開発されていく薬剤の薬理作用の理解には苦戦しているようです。副作用や服薬方法については、理解はできても機序が難しい様子ですね。患者さんに説明できるくらい「わかる」ナースは少ないです。薬剤師と協働すればよいのですが、そうすると丸投げになってしまう危惧もあります。
在宅療養の支援も意外と不十分です。「生活のなかで循環器疾患をマネジメントすること」が思ったよりできていません。身体情報はよくつかめていても、生活・社会的関係に関する情報は十分理解されていないと感じます。

――最後に、今回の参加者へのメッセージをお願いします

宮本:
気楽に聴けて、気がつくと少し賢くなっていてもらえるようなセミナーにしたいですね。はたして経験豊富な山田先生との掛け合いがどうなるか、今から僕も楽しみです。

山田:
日々アップデートされる治療、併存症や複雑化する病態、幅広い患者さんの年齢層etc…、循環器看護にはさまざまな知識が求められます。
しかし、心配はいりません。わからないことがあっても患者さんに真摯に向かい合っていけば、わかるようになっていきます。そうして循環器看護がおもしろくなっていきます。学習にもっとも必要と言われるのが関心、まさに「好きこそものの上手なれ」だと思います。その手助けになるセミナーとなればよいですね。

日時:2022年6月29日(水) 18時半~19時半(約60分)
申し込み締切:2022年6月26日(日)
※予定数に達し次第 受付終了となります
対象:医療従事者
受講料:無料


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みんなの呼吸器 Respica(レスピカ)2022年3号
HEART nursing(ハートナーシング)2022年2月号
【特集】
マンガでわかる! 循環器疾患の治療のポイント

定価:1,980円(税込)
刊行:2022年2月
ISBN:978-4-8404-7636-2

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