みなさんこんにちは。感染症看護専門看護師の坂木です。新型コロナウイルスが日本で流行し、約5カ月が過ぎようとしています。緊急事態宣言が解除されましたが、いまでも市中では小さな感染が発生し続けており、いわゆる“くすぶっている”状態が続いています。私たちは大きな流行を一度経験したわけですが、これまでの対策を振り返り、効果があったものとなかったもの、感染のリスクがなんであったのかを見極めることが必要です。本企画では、私が経験したクラスター対策の事例の教訓から、クラスター発生を予防するための基本的な感染対策について全6回にわたってお話しします。(6月20日撮影)

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①手指衛生が必要な5つのタイミング
・院内でCOVID-19の患者が発生したとき、濃厚接触による院内の陽性者の発生数は日常的な手指衛生がどれだけできているかに影響されると考えられる

②タイミング1:患者に触れる前
・バイタルサインをとる、体位を動かす、リハビリをするなど

③タイミング2:清潔/無菌操作を行う前
・点滴をする、点眼をする、吸引をするなど
・患者の体内に病原微生物が侵入する危険性があるケア行為を指す

④タイミング3:体液に曝露した可能性のあった後
・患者の歯を磨く、皮下注射、オムツ交換など

⑤タイミング4:患者に触れた後
・酸素マスクを当てる、胸部聴診、腹部触診、心電図をとるなど

⑥タイミング5:患者周辺の物品に触れた後
・患者の周囲の物品には患者の微生物が付着している
・モニターアラームや輸液ポンプの操作、ベッドレールを持つなど

坂木晴世
独立行政法人国立病院機構西埼玉中央病院 感染管理担当専従看護師。現在の所属施設に就職後、2002年感染管理認定看護師資格取得。大学院在学中の2009年に感染症看護専門看護師資格取得。2010年東京大学大学院医学系研究科博士後期課程修了。2010年より現職。




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