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胸部CTでは空気気管支像(air bronchogram)、境界不明瞭、両側性、胸膜下、すりガラス状の陰影が有名ですが、実際にはさまざなパターンがあり、CT所見によってCOVID-19と診断することはできません。CT病変の推移ですが、発症後1週間および2週間目まで顕著な拡大を示し、3週目から徐々に軽減することが多いです。
治療は対症療法となります。低酸素血症があれば酸素投与を行い、呼吸不全があれば人工呼吸器を装着します。細菌性肺炎の合併が考えられる場合は、抗菌薬の投与が必要となります。肺炎患者や重症患者に対しての副腎皮質ステロイドの全身投与は推奨されません。
治験薬の候補としては、ロピナビル/リトナビル(抗HIV薬)、ファビピラビル(抗インフルエンザ薬)、レムデシビル(新規ヌクレオチドアナログのプロドラッグ)、シクレソニド(吸入ステロイド喘息治療剤)などが挙げられています。