看護師兼ライターの白石弓夏です。

看護師として現場で働いていると、“継続的に学びが必要である”と痛感することがあります。大人になってからの『学び』は、自分のなかに落とし込み、現場で活用できるか、応用できるかが重要になってくると思います。みなさんは実際にどのように『学び』を深めているでしょうか。

この連載では、さまざまな場所で活躍されている看護師にインタビューを行い、自身の『学び方』について、一緒に考えてみようと思います!

今回はイラストレーターとして活動している中山有香里さんです。

※前編はこちら


プロフィール:
看護師兼イラストレーター。「ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術」「悲しいくらい人に聞けない看護技術」を出版。自身の経験を交え、新人ナースを関西から全力で応援する。

白石>前編ではメモ帳を使った中山さんの勉強方法についてお話を聞くことができました。後編では、中山さんが考える学びについて、聞いていきたいと思います。中山さんにとって学びってどんなイメージがありますか?

中山>学びですか……。看護師は生涯学習が必要だといわれていますが、学ぶことで自分も相手(患者さんや家族など)も守ることができると思っています。戦う武器や守る盾のようなイメージ。昔は、学びとは机に向かってペンを持っての勉強というイメージが強かったです。だけど、なかなか頭に入ってこないことが多くて、だんだんと違和感に気づくようになりました。

白石>それはなにかきっかけがあったのでしょうか?

中山>あるとき、先輩に質問されたことがうまく説明できなくて……。私としては理解した、学んだつもりでいたんですけど、そのときに“机に向かってペンを持つだけの勉強”は違うなと思ったんです。先輩からも「あんたは、ひらいめいた顔をしたあとにいい動きをする」と言われたときに、「今回のように、うまく説明できなくて失敗した、でもそこから気づくことも学びなんだ」と考えるようになりました。学びとは「自分が何をして、何に成功して何に失敗したのか」「何を感じたのか」と気づくことからはじまると……自分なりに模索しています。

「自分が何をして、何に成功して何に失敗したのか」に気づくことについてエピソードを交えてお話しいただきました。


白石>わかります!私もどちらかというと、「勉強しよう!学ぼう!」という意識があるタイプではなく、失敗をしたり、怒られたりして、悔しい気持ちになるほうが学びにつながりやすいタイプです。私の場合は、「なにくそ!見返してやる!」みたいな黒い感情がほとんどですけどね…(笑)。

中山>そうなんですよ!それまでうまく仕事をまわせなかったときや、報告の仕方についてなど、「こうしたらいいんやで」と先輩から言われてもなかなかうまくできなくて…。くよくよ悩んでしまっていたんです。だけど、先輩に言われたことを自分で考えて、納得できるように気持ちを切り替えることで、すこしずつできることが増えました。気持ちも楽になりましたね。たとえ失敗したとしても、積極的にかかわっていく姿勢は、学びにつながる、成長していけると思っています。これからも、このスタンスは続けていきたいです。

白石>中山さんのいう積極的にかかわっていく姿勢って、たとえばどのようなことですか?

中山>私の姿勢は、「とにかくやってみる」です(笑)!!

白石>中山さんらしい!学びって「ポジティブに学ぼう!」という気持ちだけでなく、失敗してしまった……とネガティブな気持ちからでも学びにつながると、改めて思いました。私も「いまここで失敗したから気づくことができた」と次の成長につなげていけるようになりたいです。中山さん、ありがとうございました!

//バックナンバー//

#001  自分の基盤にどうのせるかで学びを考える|吉岡純希さんと白石弓夏さん(前編)
#002  お互いの領域をリスペクトする|吉岡純希さんと白石弓夏さん(後編)
#003  わからないことを追求する奥深さ|小浜さつきさんと白石弓夏さん(前編)
#004  学生教育から学びを考える|小浜さつきさんと白石弓夏さん(後編)
#005  生きた話を聞く、学び方|落合実さんと白石弓夏さん(前編)
#006  学ぶのは誰のため?|落合実さんと白石弓夏さん(後編)
#007  映像で思い出せるように|中山有香里さんと白石弓夏さん(前編)




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白石弓夏
看護師兼ライター。整形外科病棟とクリニック、施設で働きながらライターとして活動中。ポジティブ思考、フットワークの軽さが強み。ライターとして情報収集、発信向けにTwitterをはじめたが、いつのまにか飯テロ垢と化したので、軌道修正中。
Twitter→https://twitter.com/yumika_shi