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COVID-19に罹患すると、発熱、咳、倦怠感を経験することがあります。そのような症状がみられているにもかかわらず、病院に出勤すれば病院感染の原因となります。発熱などの症状があれば出勤しないということは当然のことですが、発熱があっても気付かないことがあります。そのため、日常的に体温を測定し、症状を確認することが大切です。また、勤務中に何らかの症状がみられた場合には、上司に報告して、帰宅します。他のスタッフに迷惑をかけるということで、業務を終えてから報告するということは適切ではありません。

このような自己管理は当然のことながら、同居家族に発熱、咳、倦怠感などがみられないかの管理も必要です。同居家族がCOVID-19に罹患した場合には自分も感染する可能性が高くなるからです。

COVID-19は発症の1~2日前からウイルスが咽頭に検出されることがあり、また、無症状の感染者もいます。症状がきわめて軽度であるため、発症していることに気づかないこともあります。そのような状況の人が勤務すると感染源となってしまうので、患者ケアのときはつねにサージカルマスクの着用することが大切です。

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矢野邦夫

浜松医療センター 副院長 兼 感染症内科部長
医学博士、浜松医科大学 臨床教授、産業医

1981年に名古屋大学医学部卒業。名古屋掖済会病院、名古屋第二赤十字病院、名古屋大学第一内科、米国フレッドハッチンソン癌研究所、浜松医療センターを経て米国ワシントン州立大学感染症科エイズ臨床短期留学。米国エイズトレーニングセンター臨床研修終了後、1997年に浜松医療センター感染症内科長、衛生管理室長に着任。2008年7月より同副院長(現職)。

インフェクションコントロールドクター、感染症専門医・指導医、抗菌化学療法指導医、血液専門医、日本輸血学会認定医、日本内科学会認定医、日本エイズ学会認定医・指導医、日本感染症学会、日本環境感染学会 評議員。

著書に、ねころんで読めるCDCガイドラインシリーズねころんで読める抗菌薬シリーズ(メディカ出版)、エビデンスに基づいた抗菌薬適正使用マニュアル(メディカ出版)など多数。



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