//この連載シリーズ・バックナンバーを読む//
//そのほかの新型コロナウイルス感染症/感染対策関連記事を読む//
「COVID-19の患者に濃厚接触したが無症状である」「新型コロナウイルス感染症が疑われて、PCR検査を予約している」「PCR検査を実施して結果を待っている」といった人々が数多くいます。今後は、軽症の患者や回復期の患者は在宅で経過をみることになるかもしれません。そのような人々は自宅に滞在して、外出を控えることになりますが、同居家族はどのような対応をすればよいでしょうか?
家族内感染は是非とも避けたいところです。もちろん、家族とは別の部屋にいてもらうように指導しますが、その他の在宅感染対策の啓発も必要です。
最初に、手指衛生の重要性を啓発します。手洗いは最も重要な感染対策であり、それは家庭内でも同様です。「石けんと水道水による手洗い」もしくは「アルコール手指消毒」のどちらかを行います。
次に、ドアノブや手すりといった「手指の高頻度接触表面」の清掃を強化するように指導します。家庭用漂白剤を薄めたもので1日に2回ほどの清掃とします。換気も大切であり、1時間に1~2回程度の窓の開放をするか、換気扇をつねにonにしておきます。
食器については洗剤と水道水による洗浄で十分です。食洗器も有効です。食器を使い捨てにする必要はありません。衣類についても洗濯機で洗えば、ウイルスは大量の水道水で洗い流されてしまうので、洗濯後の衣類が感染源になることはありません。
風呂は感染が疑われる人は、最後にします。そして、風呂にはいるときのバスタオルの共有はしません。顔拭きタオルも共有しません。感染者が用いたタオルを別の人が使用すると、眼、鼻、口の粘膜に触れることになり、感染する危険性があるからです。
#001 COVID-19の感染対策
#002 COVID-19の臨床症状、重症度、致死率
#003 COVID-19のCT所見と治療
#004 COVID-19の伝播するスピード
#005 SARS-CoV-2が環境表面に生息できる時間
#006 COVID-19の患者は発症前から感染性があるか?
#007 メンタルサポート
#008 自分の健康管理とサージカルマスク
#009 個人防護具の適切な着脱
#010 環境表面の清掃
#011 病室の空気と咳エチケット