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SARS-CoV-2(COVID-19の原因ウイルス)は、紙の上には最大1日、プラスティックの上には最大3日生存できることが分かっています。すなわち、環境表面にはウイルスが付着して残っている可能性があります。そのようなところに触れた手指にウイルスが付着し、その手指が眼、鼻、口の粘膜に触れることによって感染します。

そのため、廊下の手すりやドアノブなどの「手指の高頻度接触表面」を重点的に清掃することが大切です。清掃の頻度は1日1~2回程度になると思います。多数の人々が触れる環境表面であることから、本来は頻回の清掃が必要ですが、すべての「手指の高頻度接触表面」を頻回に清掃することは現実的ではありません。そのため、そのようなところに触れた後には手指衛生をするという啓発によって補完することになります。

一方、床や天井のような「手指の低頻度接触表面」については感染源にならないので、清掃のためにマンパワーを消耗しないようにします。

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矢野邦夫

浜松医療センター 副院長 兼 感染症内科部長
医学博士、浜松医科大学 臨床教授、産業医

1981年に名古屋大学医学部卒業。名古屋掖済会病院、名古屋第二赤十字病院、名古屋大学第一内科、米国フレッドハッチンソン癌研究所、浜松医療センターを経て米国ワシントン州立大学感染症科エイズ臨床短期留学。米国エイズトレーニングセンター臨床研修終了後、1997年に浜松医療センター感染症内科長、衛生管理室長に着任。2008年7月より同副院長(現職)。

インフェクションコントロールドクター、感染症専門医・指導医、抗菌化学療法指導医、血液専門医、日本輸血学会認定医、日本内科学会認定医、日本エイズ学会認定医・指導医、日本感染症学会、日本環境感染学会 評議員。

著書に、ねころんで読めるCDCガイドラインシリーズねころんで読める抗菌薬シリーズ(メディカ出版)、エビデンスに基づいた抗菌薬適正使用マニュアル(メディカ出版)など多数。



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