「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回のテーマは「(夜勤の)仕事の進め方」です。
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病棟看護師ほど、多重課題の多い仕事はないんじゃないかと思う。
その日にやらなければならないこと、しかも時間が決まっていることも山ほど。
◯◯さんの◯時の点滴(しかも点滴患者さんは1人じゃない)
◯◯さんの◯時のIC
◯◯さんの◯時のオペ出し
◯◯さんの夕方くらいのオペ戻り
◯◯さんの指示受け
空いた時間で◯◯さんの保清
午前中に◯◯さんの処置
などなど、とにかく多い。
これらを、鳴り止まないナースコールに対応しながらこなす。
正直、頭のなかはごちゃごちゃになる。
覚えてなんかいられない。
「準備が8割」といわれるように、わたしはこれらをこなすには事前準備をいかに効率的に行うかが鍵だと思っている。
わたしの場合、自分専用のタイムスケジュール表を作成し、朝の情報収集の時間にそれらに全部書き込むようにした。
朝って、情報収集をしなければならない。
原疾患からその日の検査や点滴まで。
それを情報をとった瞬間からその表に書き込んでいく。
受け持ち患者の全員分の記入作業が終わると、1日の流れが可視化される。
ひと目で忙しい時間帯、ほかの人に手を借りたい時間帯、時間の猶予がありそうな時間帯がわかる。
さらにそこに、【何時でも良いけどやらなければならない処置や指導】などを組み込んでいく。
時間が決定しないものに関してはTODO欄があるのでそこに書き込んでおく。
毎日全員に行うようなものはあらかじめフォーマットに組み込んでおくと手間が省けて便利だ。
ちなみに、ナースコール対応して約束したことやほかのスタッフに頼まれたことも、必ずその場でスケジュール表もしくはTODOリストに組み込む。
これは絶対に後回しにしない。
業務内で実施したら、チェック印を入れる。
わたしは紙が真っ黒になるのが好きだったから、わざと太いサインペンで文字を消していった。
終わったあとに真っ黒の紙を見て“頑張ったな~”ってよく自分を褒めるのが好きだった(笑)。
まあ、実施済みのところをしっかり消すと、未実施のところが目立って作業しやすかったっていう理由もあった。
もちろん方法は人それぞれなので何が正解、というのはない。
かなりめんどくさいけど、頭で覚えるのが苦手なわたしにはちょうどよかったのか、作業効率も上がったし、仕事の正確性も増した。
ちなみに、働いた病院や形態によりスケジュール表の内容はちょっとずつ変えたけど、2人持ちのICUから18人受け持ちの夜勤専従まで使えた。
ただ、1つ欠点が。
スケジュール表に依存しているぶん、それをなくすと作業効率も正確性もメンタルも一気に崩壊するので、それだけは死守で!(笑)。
//バックナンバー//
#001 はじめての尿道カテーテル
#002 なにがなんだかわからないケンサチ
#003 大きいからポケットには到底入らない
#004 家族じゃないからこそできること
#005 経管栄養とは
特別編 在宅は1人の感染が命取り
#006 自分にできることをやろう
#007 戦いは前日から
#008 波形だけじゃないよ、心電図モニター
#009 大切な人
#010 Positioning
#011 丁寧に、確実に
#012 小さな気遣い、大きな違い
#013 訪問看護と教育
#014 オンライン学会に参加して
#015 いちばん苦手な時間
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fractale~satomi~
twitter:自由人ナースさとみ(@minisatominy)
三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。
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