想像と違うオンコール|大事なことはぜんぶ臨床で学んだんだ|mizuki|#011

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「オンコール」です。

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オンコールって、持つまではかっこいいなと思っていた。
デキる人みたいな。
持てる人が限られているから憧れる、みたいな。

そもそも会社用の携帯電話を持つことに憧れていた僕は、オンコールに対して強い憧れや「早く持てるようになりたい」っていう思いを抱いていた。


ところが実際に持ってみると、たった1台の携帯電話を持つだけなのに、責任の重さ、いつ鳴るかわからない不安に押しつぶされそうになる。
普段は軽い携帯電話も、オンコールのときだけは鉛のように重い。

オンコールって、鳴らす相手(施設だったり家族だったり本人だったり)と僕を直接結ぶ「命綱」のようなものである。
この命綱にはいろんな内容の電話が来る。

「痛みがひかない」「薬が行方不明になった」「転倒した」などさまざま。
たまに急を要する内容の電話が来るが、基本的には翌日の昼間に対応しても良い内容もある。要するに「悩んだときに相談を受ける電話」ということが多いと思う。

「そんなに慌てなくても大丈夫ですよ」と僕はよく思っていた。
「本当にこれオンコールで受ける内容?」って電話もあり、複雑な思いをしながら。

けど、半年ぐらい持って、考え方が変わった。

話を聞いてもらうだけで落ち着けることを知った。

最近歳のせいなのか、僕自身の身体が不調になることがよくある。
夜中に突然の腹痛だとか、発熱だとか。

こういうとき「誰かが受けてくれるオンコールがあればな」と思う。
そして実際に友人などに連絡すると「これ以上痛くなったら救急車。そうでなければ明日病院へ」なんて言われると、それだけで安心する。
そっか、この感じがオンコールを鳴らして相談する感覚なのかと。

急を要するオンコールは関係各所に電話したりして大変ですよね。
僕は急を要するコールはそんなに多くはなかったのですが、判断に迷うことがありますよね。
いますぐ動くべきかどうかとか、どこにつなげば一番いいのかとか。

僕は病棟勤務が長く、在宅に移りオンコールを持ったのは去年がはじめて。
けど、それまでのオンコールのイメージとはまったく違うと知り、オンコールを持つたびに、その責任の重さと、いかに相手の気持ちに寄り添って的確な情報を提供するかの大変さを感じていた。

//バックナンバー//

#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
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