頭のなかだけで考えず、まずは不格好でも形にする|学びカンタービレ|#013|青木美沙子さんと白石弓夏さん(前編)

看護師兼ライターの白石弓夏です。

看護師として現場で働いていると、“継続的に学びが必要である”と痛感することがあります。大人になってからの『学び』は、自分のなかに落とし込み、現場で活用できるか、応用できるかが重要になってくると思います。みなさんは実際にどのように『学び』を深めているでしょうか。

この連載では、さまざまな場所で活躍されている看護師にインタビューを行い、自身の『学び方』について、一緒に考えてみようと思います!

今回はロリータファッションモデルとして活躍し、訪問看護師として働く、青木美沙子さんです。

プロフィール:
KERA・ゴスロリバイブルのロリータファッションモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年日本発祥のロリータファッション普及目的に日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行う。

白石>青木さんは看護学生のときからモデルもしつつ勉強していたそうですが、なにか工夫されていたことはありますか。

青木>私が学生のときは「関連図を紙に書いてこい」などといわれる時代で、勉強法はとにかく書くスタイルでした。なかには、考えてもわからなくて白紙で提出する子もいましたけど、白紙が一番よくないと思っていた自分がいます。私は仕事を掛け持ちしていて時間が限られていたので、どうしたら要領よく短時間で勉強できるかを考えた結果、頭のなかだけで考えずに書き出す方法を思いつきました。それが自分にも合っていたようです。

白石>書いてみて、頭のなかを可視化することで整理させていたんですね。

青木>そうです。頭のなかでぐちゃぐちゃと考えているだけで何時間も経ってしまったら、もったいないですよね。白紙で提出したら自分が何を考えているか先生にわかってもらえないと思うので。とりあえず書き出して、間違いでも不格好でも形にすることを大事にしていました。

白石>いろいろ考えてあれはだめ、これはだめ……となる気持ちもわかりますけど、そこから一歩踏み出さないことには、進みませんからね。勉強に使うものは、参考書やネットで調べたものなどですか?

青木>私が学生のときにはネットで勉強するような情報はなかったですね。基本的には学校で買う分厚い過去問をもとに、自分の頭のなかを整理するためにひたすら書く……。あとは、国家試験対策をしている塾に春休み一週間通ったこともありました。書いてノートにまとめて、暗記しなければいけないものはトイレの壁に貼るなどしていた記憶があります。

白石>わかります!私もトイレの壁に貼っていました(笑)。

青木>新人看護師のときに、朝礼で血液データの正常値を言わされることがあって……。それを覚えるためにトイレの壁に貼っていたんですよね。

「教える立場になると自分も勉強する」という理由でプリセプターや実習指導も積極的に担当されたそうです。


白石>皆の前で言わされる……って、当時はそういうことがわりとありましたね。青木さんのノートは、きれいにまとめて振り返りできるようなものですか?

青木>後から振り返られるようにしていましたね。看護師になってからも、小さいノートに実践で必要なことをよくメモしていました。CV介助の流れとか必要物品とか……。

白石>青木さんは新卒で混合病棟にいたとのことですが、今日は呼吸器の患者さん、明日は外科の患者さん……と、その日その日で受け持つ患者さんの診療科がバラバラだと勉強も大変ですよね。

青木>頭が混乱しますよね。だけど、だいたい入院してくる疾患は同じだったのと、難しい症例はなかったので、なんとか頑張っていました。その都度メモ帳にまとめて、それを見返して、家で調べたものを書き込んでの繰り返しで。このやり方をなんだかんだ16年くらい続けています。

白石>頭のなかのことを書き出すスタイルは、仕事を掛け持ちしながら限られた時間のなかで最大限にできることを考えた結果、確立されてきたものなのですね。また、不格好でもいいから形にするという考え方は、完璧に100点のことをやろうと思って足踏みしてしまう人にとっては、すこし勇気のいることかもしれません。だけど、30点でも50点のところからでもやってみるという気持ちがあると、すこし気持ちが楽になるように思いました。

後編では、青木さんに最近のさまざまなツールを活用した勉強方法について聞いていきたいと思います。

//バックナンバー//

#001  自分の基盤にどうのせるかで学びを考える|吉岡純希さんと白石弓夏さん(前編)
#002  お互いの領域をリスペクトする|吉岡純希さんと白石弓夏さん(後編)
#003  わからないことを追求する奥深さ|小浜さつきさんと白石弓夏さん(前編)
#004  学生教育から学びを考える|小浜さつきさんと白石弓夏さん(後編)
#005  生きた話を聞く、学び方|落合実さんと白石弓夏さん(前編)
#006  学ぶのは誰のため?|落合実さんと白石弓夏さん(後編)
#007  映像で思い出せるように|中山有香里さんと白石弓夏さん(前編)
#008  失敗してもそこから気づくことが学び|中山有香里さんと白石弓夏さん(後編)
#009  自分の頭のなかだけで完結させない|中村実穂さんと白石弓夏さん(前編)
#010  目標達成までをイメージする、あえて自分を追い込む|中村実穂さんと白石弓夏さん(後編)
#011  基礎に立ち返って学ぶ|小堤恵梨さんと白石弓夏さん(前編)
#012  “認定看護師”という自分の役割が、学びを後押ししてくれる|小堤恵梨さんと白石弓夏さん(後編)




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白石弓夏
看護師兼ライター。整形外科病棟とクリニック、施設で働きながらライターとして活動中。ポジティブ思考、フットワークの軽さが強み。ライターとして情報収集、発信向けにTwitterをはじめたが、いつのまにか飯テロ垢と化したので、軌道修正中。
Twitter→https://twitter.com/yumika_shi