看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「後輩指導」です。

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私は今年で看護師歴10年になります。
正直、10年も看護師をやるとは思っていませんでした。

看護師になるまでは事務職を転々とし、パソコンが使えればそれだけでOKという仕事をしていました。


「パソコンが使える」というのは何を基準にしているのか、どこまでできれば「パソコンを使える」と言えるのかわかりませんが、少なくとも私が転々とした事務職で、どの現場でも私は重宝がられました。

しかし、看護師になると、とにかく「学校を出てからすべてを学ぶ」ような感じ。
とにかく日々の業務と疾患看護を学ぶまでは、すべて1から学ぶ感じでした。

私は1年目のときに職場を逃げ出すように辞めた経験があります。

それは日々の業務がなかなかできず、苦しさから辞めたようなものです。

このとき、辞める前日に僕に声をかけてくれたスタッフがいました。

「なんかつらそうだね。無理しないでね」と。

でも、この言葉を裏切るように職場から逃げてしまいました。


そんな経験があるから、僕が後輩に指導するときは技術面よりも精神面をフォローするように心がけています。


あるとき、上司から「プリセプターだけではなく、あなたもサポートに入って」と言われたことがありました。

サポートに入ると言ってもどんな感じにしようかなと悩みました。
看護師の仕事はシフト制が多く、プリセプターが夜勤、プリセプティーが日勤だと指導ができないため、そのときに私が指導していました。
そうなると精神面だけではなく、ちゃんとした技術指導が必要になります。

このとき、私はプリセプティーの使っているノートのサイズを確認します。
そして、そのノートに貼れるよう、パソコンで手順や確認項目を作って小さく切ります。
ちょっとしたコツや物品の配置なども書き加えながら。

そしてこれを見ながら実際に看護技術を行ってもらいました。

それまでプリセプティーは先輩の手順や物品の配置などすべてノートに取っていましたが、私がまとめたノートを見ながらだと、あらかじめほとんど書いてあるので、プリセプティーは見学に集中できます。

もちろん自分でメモを取ることが良いと思う人がいるかも知れません。
ただ、メモをとることに必死だと先輩の手技が見えずに集中できないときがあります。
このあたり、メモをとることよりも実際に見て知ってもらいたい私の工夫事項です。


最近はiPadなどを利用した勉強法もありますが、なかなか病棟に持ち込むことができません。
ちょっと古いですが、縮小した文書をノートに貼るアナログ的な方法が、看護の世界ではいちばん便利かもしれません。

//バックナンバー//

#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
https://fractale3.com/mizuki/