看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「オンライン学習」です。

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今回は「オンライン学習について書いてください」と依頼を受けました。
僕はそれこそ20年ぐらい前から思ってました。
「どこでも勉強できる仕組みは作れるだろう」って。

新型コロナウイルス感染拡大防止のために、会社や学校へ行けず、では今までと同じような仕事や学習はどうするのかとなり、突然「オンライン学習」が注目されましたよね。
でも、実際にはもっと前からオンライン学習はありました。

僕が看護学校時代、いまから13年ぐらい前。
スマホはありませんでした。
というか、携帯の電波がそれほど高速・大容量ではなく、街なかにFree-WiFiスポットがぽつりぽつりと出始めた感じのころ。
まだまだオフライン学習でした。

自分のパソコンに必要な資料をすべて入れて外出。
外出先でその資料を読みつつ課題をやるみたいな。
どこでもネットにつなげられるわけではないので「自宅で調べよう」ってものが多かったです。
ある程度はガラケーで調べられたものの、資料をダウンロードするには向かなかったし、結局自宅でパソコンを使うのが一番効率がよかったです。


今の時代はスマホ1台あればなんでもこなせますよね。
そして今回の新型コロナウイルス。
いよいよ勉強会や研修も「自宅にいながら」参加できるようになりました。
もちろん、まだまだ技術的な改良点はあります。
ただ、映像と音声が双方向で送れるようになったのはすごいこと。
結構データの帯域使いますから。


2000年代前半に「ユビキタス社会」というのが提唱されました。
「いつでも、どこでも、なんでも、誰でも」がネットワークにつながることで、人々の生活がより豊かになるものだそうです(wikipediaより)。

私は昔からずっとこの実現を待っていました。

今となっては、そこそこ実現してきたかなと思いますが、もっと充実したコンテンツづくりには高速・大容量のデータ通信網が必要だと思います。

ただ、今回の自粛期間に人々がインターネットを活用した働き方・学び方を体験することができたのは、今後の活用法について、コンテンツを提供する側もそれを利用する側もとてもよい経験になったのではないかと思います。
「ああ、こんなに便利なんだ」ってことから、人々の興味関心は始まりますからね。


オンライン学習では学べない(学びにくい)ものもたくさんあると思います。
看護学生の実習で朝の行動計画を発表するときの謎の緊張感や、患者さんとのかかわり方、働いてからも採血するための血管の探し方や針を刺す感触なんかはオンラインではなかなか得られないと思います。

人にかかわる仕事だからこそ、オンラインにしにくい看護の世界。

でも、そんなこと思ってるからIT化が遅れていると思うし、より良い看護をするためにもオンライン学習を推し進めていくべきだと思います。

//バックナンバー//

#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
https://fractale3.com/mizuki/