看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「多職種連携」です。

---------------------

多職種連携。
他職種連携とも言いますが、仕事って1人ではどんな仕事もできません。
それは看護以外の仕事、たとえば事務仕事なども自分以外の人と働かなくてはいけません。

仕事は誰かの仕事の上に成り立っていると思うんです。
とくに看護師という仕事は1人ではなにもできません。
医師、薬剤師、栄養士、作業療法士や理学療法士などさまざまな人たちと連携しないと、看護師だけではなにもできません。


とは言うものの……。
私、他職種との連携って苦手なんです。
というか、どうしても看護の仕事がいちばん大変って勝手に思ってしまうんです。
それぞれの業種も大変であるにもかかわらず。

看護師になってはじめのころ、まだなにも慣れていなくて朝から夜遅くまで残業して働いていたとき、ある患者さんの点滴を頑張って入れて、その後リハビリに行きました。
そしてリハビリから帰ってきたときに点滴が止まっている……。
そのときの作業療法士さんからは「リハビリしてたら点滴が止まりました」と。
今となっては「まあ、また刺し直せばいいか。リハビリしたんだし」と思えますが、当時の僕は「あんなに頑張って入れたのに点滴が止まってる。しかも『点滴止まりました』って、いつから止まってたんだよ」と怒りで頭がいっぱいになった経験がありました。
そしてこっちは夜遅くまで残業しているのに、あるときリハビリについて聞こうと電話したら「もう定時過ぎてますけど」みたいな言い方をされ、ますますきらいになりまして。
このできごと以来、私は基本的に“多職種連携がきらい”になりました。


ただ、本当に仕事をすればするほど、多職種連携の大切さを感じるようになっていきます。
「自分がいちばん大変」って思っているときって周りが見えてなくて、誰ともかかわりを持たない孤独な人になっていることが多いと思います。
誰ともかかわらないと仕事にならないわけで、おたがいの強みを出し合うことがより良い結果に結びつく。
そして、もしミスをしてしまっても、リカバリーしあえる環境がいちばん良い多職種連携なのではないでしょうか。


苦手な多職種連携について学ぶため、ほかの職種についてもっとたくさん学べるように、多職種連携を推進するプロジェクト「メディッコ(Twitter:@medicco_、Website:https://medicco-lab.com/)に所属しています。
ここの方々にも日々助けられています。

ほかの職種の人と仕事をするって、とても大切なことだなと思っています。

//バックナンバー//

#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ
#014 時代がようやくついてきた
#015 自分の視点を伝えること
#016 昼間と夜間は仕事が違う

-----------------------------
fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
https://fractale3.com/mizuki/