「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回のテーマは「夜勤中の仕事の進め方」です。
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夜勤という仕事はいろんな業種で行われていますが、とくに医療系は「夜勤」があるイメージが強いですよね。
僕は看護学生のとき「夜勤をやる看護師」にものすごくあこがれを抱いていました。
今となってはおかしなことですが。
僕が夜勤をやり始めたのは看護師になって2年目の6月。
っていうのも、転職したので、その病院で働いて3カ月目のときでした。
脳神経外科で働いていた僕は、日勤ですら仕事を覚えていないのに、夜勤をやることにものすごい恐怖を感じていました。
夜勤って看護師の人数も少ないのにどうやって仕事をこなしているんだろうかって。
実際にやってみると少ない人数だからこそ1人ひとりが能力の限界で働くわけですが、昼間と同じ仕事量はできないってことがわかりました。
だからこそ、自分に任せられた仕事をこなし、チームワークよくやって次の日の日勤者にバトンをつなげることが大切になります。
精神科の夜勤はそれこそ大暴れしたり、大声で奇声を上げ続ける人ばかりかと思って最初は怖かったですが、それはただの思いこみ。
実際はとても静かなものです。
というのも、やはり睡眠って精神科の治療ではとても大切。
なので、夜間はみなさん基本的に寝ています。
これ、身体科急性期よりもみなさん寝ている印象。
そしてモニターの音も輸液ポンプの音もないので、働く私にとっても落ち着いて仕事ができます。
夜は患者さんに寝ていただくのが仕事。
だからドタバタと働くことはしません。
なにかあれば翌日の昼間にしてもらう。
患者さんに落ち着いて過ごしてもらうには、看護師も落ち着いて仕事をしなければいけないと思っています。
そして、病棟に向かって胸を張り「なにがあっても受けて立とう!」っていう意気込みも大切。
あまりに不安が強いと大したできごとでもないことに動揺してしまいます。
こっちが不安を見せるとなぜか荒れた夜勤になる気がしています。
とにかくどっしりと構える姿勢が夜勤には大切だと思います。
まあ、今は精神科の急性期にいるので、入院が来たりするととても大変になりますけどね。
でも、それだって「いつでも来なさい」ぐらいの気持ちでいると不思議と入院が来なかったりします。
あとは僕が夜勤だと安心してくれる患者さんがいるのも、自分にとって幸せに思います。
「よかった、あなたが夜にいると安心して眠れるの」と言われることは結構あります。
夜勤中は患者さんの要望を結構聞いたりします。
日勤ではほかのスタッフとの兼ね合いもあるので一存では決められないことも「今夜だけ特別に良いですよ」みたいな対応をしたりします。
ちょっと不満で夜間眠れなくなるより、満足してもらうことでよく眠れるってことがありますからね。
あ、夜勤明けはカップ焼きそばを食べて、レモンサワーを飲んで寝るのが最高です。
飲んで寝てリセットすることが大切。
そして夜勤で起こったことをあれこれ忘れるのが、夜勤を続けられるポイントかもしれませんね。
//バックナンバー//
#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ
#014 時代がようやくついてきた
#015 自分の視点を伝えること
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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki)
乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。
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