「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回のテーマは「清潔ケア」です。
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「清潔ケア」ってとても苦手できらいな業務です。
いろいろな思い出がありますが、看護学生のころに実習でモーニングケアをしたとき、おむつに排便がありまして。
なんかよくわかりませんが頑張っておむつ交換してたら、気がつかないうちにビニール手袋に便が付着してました。
それに気がつかなかった私は、患者さんのボディーソープを取ったときにそのボトルを便まみれにしてしまいまして。
一緒にモーニングケアした看護師さんがものすごく冷たい目線を私に投げつつ、そのボトルをきれいにしてくれた思い出があります。
このときから思ってます。
「自分は看護師に向かないな」って。
こういう思い出があるものって、ずっと苦手意識がありますよね。
これは自分が得意な分野、不得意な分野に共通することかも。
ただ、清潔ケアが苦手といっても、病棟で看護師をしているうえではなかなか避けられないことも事実。
そして、やはり経験を重ねているうちに“うまくできるようになる”のがおもしろいところ。
実際、患者さんから「ありがとう」と言われると、「やってよかったな~」って思います。
精神科では、なかなか清潔ケアを行えない患者さんも多く、療養病棟では何年もお風呂に入っていない方もときどき見受けられます。
はじめのうちはどうやってお風呂に入ってもらおうかと悩みますが、ただお風呂には入らないだけで、洗面所で髪を洗ったり、タオルで身体を拭いている様子を見ると、「これで清潔が保たれているなら、お風呂だけがすべてではないな」って思います。
僕自身は、疲れていてもお風呂に入らずに寝床に入るのがものすごくきらいなので、必ずお風呂に入るのですが(だからアウトドアは苦手)、それを患者さんに当てはめてしまって、ちょっと反省したりします。
「自分のものさしに当てはめすぎてしまったな」って。
看護の基本中の基本である「清潔を保つ」ということ。
苦手できらいだけど、やっぱり患者さんがきれいサッパリとされている様子は、こちらが汗だくで清拭したかいがあったなって思います。
まあ、いまだに必要物品が足りなかったりと苦手ですけどね。
//バックナンバー//
#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ
#014 時代がようやくついてきた
#015 自分の視点を伝えること
#016 昼間と夜間は仕事が違う
#017 「つながりは大切!」ってのはわかるんだけど
#018 看護師を辞めない理由
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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki)
乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。
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