「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回のテーマは「転職の思い出」です。
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今回は「転職」についてです。
私は看護師になって何回も転職していますが、じつは看護師になる前も何度も転職をしていました。
いや、転職はしたくないのですが、看護師になる前は「契約期間満了により退社」ということが多かったんです。
そう、非正規で働いていましたから。
だから正社員で働けることにすごくあこがれを持っていました。
看護師の仕事って「人に対して」の仕事じゃないですか。
私、こういう仕事苦手なんです……。
ちょっと考えてみても、うちの家系でこのように人と長い時間接する仕事をやっている人が少ないんですよ。
ほとんどが事務関係の仕事。
もちろん事務仕事だって人と接しないはずはない。
けど、接している時間はとても短い。
僕も非正規で事務の仕事をやっていたので、電話や来客対応のときはとても丁寧に接していました。
そんな転職回数が両手では足りないぐらいの私。
看護師になってからは看護の仕事をしたくなくて、いつも「次こそは看護師以外の仕事をするぞ」って意気込んでいます。
けど、そんな気持ちとは裏腹に、いつも看護師をしている。
看護師以外の仕事をしたいって思っても、もう年齢的にも新しい分野で働くには頭がついていかないだろうし、なんやかんやで続けている看護師の知識を生かしたほうが、スムーズに仕事ができそう……なんて、いろいろ思ってしまいます。
転職するたびに「いつもイチから」仕事を覚えないといけないですよね。
仕事以外でも家を出る時間とか、更衣室に向かう廊下を覚えるとか、とにかくいろいろ覚えないといけない。
この覚えることが僕にとってはとても苦痛なんです。
「ああ、また新しい環境か」って苦しくなってしまう。
転職をいろいろしている僕がみなさんになにか言えるとしたら、「どんなに真剣に選んだ職場だからといっても、ひとつの場所にしがみつく必要はないのでは」ということ。
どうしても自分に合わない職場ってあります。
すごく苦しい日々を過ごしていても、違う環境ならその苦しさがなくなるかもしれません。
苦しくて苦しくて毎日泣いてたり、つらくなったら転職しても良いと思うんですよね。
思い切って看護師以外の仕事とか。
せっかく看護師免許を取得したから、それまでの費用とか考えると看護師以外の仕事をする選択肢はなかなかないかもしれない。
けど、苦しい思いまでして働くことはないのかなって思います。
私も苦しくて仕事を休職したこともありますが、結局はその仕事を辞めて違う職場で働いたら、苦しい思いはなくなりました。
奨学金問題とかいろいろあって難しいこともありますが、しがみつく必要もないのかなと思います。
「次こそは看護師以外の仕事を」と思いますが、僕もどうもしがみついてしまうんですよね……。
//バックナンバー//
#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ
#014 時代がようやくついてきた
#015 自分の視点を伝えること
#016 昼間と夜間は仕事が違う
#017 「つながりは大切!」ってのはわかるんだけど
#018 看護師を辞めない理由
#019 やっぱり苦手な清潔ケア
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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki)
乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。
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