視野が広がるようなところにあえてアクセス|学びカンタービレ|#018|芝山友実さんと白石弓夏さん(後編)

看護師兼ライターの白石弓夏です。

看護師として現場で働いていると、“継続的に学びが必要である”と痛感することがあります。大人になってからの『学び』は、自分のなかに落とし込み、現場で活用できるか、応用できるかが重要になってくると思います。みなさんは実際にどのように『学び』を深めているでしょうか。

この連載では、さまざまな場所で活躍されている看護師にインタビューを行い、自身の『学び方』について、一緒に考えてみようと思います!

今回は社会人から看護師資格を取得し、現在は精神科病棟で働く芝山友実さんです。


※前編はこちら


プロフィール:
アメリカの大学でデザインを学び、今は精神科看護師13年目。旅、食べ歩き、アート、ゲーム好き。好奇心は強いがメンタルはお豆腐。

白石>前回は芝山さんの学びのスタンスについて触れましたが、今回はどのように学んでいくのかコツをお伺いしたいです。芝山さんが実際に勉強するときは、どのようにしているのですか。

芝山>精神科の中井久夫先生の本が好きで、精神科看護の教科書に使う学校もあるくらい有名な著書『看護のための精神医学』(医学書院)はもちろん、統合失調症の理解を深める『最終講義:分裂病私見』(みすず書房)など……。なかでも『こんなとき私はどうしてきたか:シリーズケアをひらく』(医学書院)はふと今読み返しても気づきが得られることもあり、お勧めの本です。こうした本をいっぱい集めて、読み漁っていた時期がありました。いろいろ本を読んでみると、自分が腑に落ちやすい言葉を使う著者って、ある程度決まってくるので、そうした本を積極的に読んでみるのもいいと思います。わたしが好む本では具体例もいっぱい書いてあるけど、考え方を学ばせてくれるものが多いです。人やシチュエーションを置き換えても成り立つような……。精神科に限った勉強法かもしれないですけどね。

白石>人と人との関係性、かかわり方のようなスキル面だけではなくて、もう一歩、生き方や考え方を学ぶ機会を作っておくほうがいいということですか?

芝山>そうですね。私は看護師になってからずっと同じ病院で働いているので、自分だけの世界に入り込みやすい環境にあると思っていて。だから、本を読むのも外のことを自分で探しにいく一つの手段じゃないかな。視野が広がるようなところにあえてアクセスしてみるんです。例えば、過去に別の病院でバイトしていたことがありますが、いろんな発見がありました。はじめて見る処置や、一般科ではこんな雰囲気なのか……と。同じ病院のなかだけだと、そこしか見えないですよね。「うちの病院のこういうところがいやだ」とか「こんなんだからうちの病院は……」と愚痴を言いたいこともあるけど、外に出てみると、「別にうちの病院が特別悪いわけじゃない」と見えてくるものがあります。私の場合は、認知症病棟に配属になる前にその病院でバイトをしていたので、そこで知れたことが後々役立ちました。



ずっと同じ病院で勤務されていますが、はじめにその病院を選んだ理由は「直感」だそうです。


白石>いろんなことを経験しておくと、あとから生かされることが出てくると……。

芝山>バイトをやっていてよかったと思います。はじめは変な男にひっかかって、失恋から立ち直るために仕事を入れただけだったんですけどね……(笑)。

あっけらかんと当時の様子をお話ししてくださいました!


白石>バイトをはじめたきっかけは、まさかの理由でしたが(笑)、みずから視野が広がるようなところにアクセスする、それがなにも転職をして環境を変えるだけではなく、本を読んだり、一時的にバイトをしたりとかでも視野が広がる可能性がある。私も最近、別の場所で働く人とオンラインでもオフラインでも交流するようになってから、仕事に生きてくることも多いし、自分の立ち位置が見えてきた気がします。芝山さん、ありがとうございました!

//バックナンバー//

#001  自分の基盤にどうのせるかで学びを考える|吉岡純希さんと白石弓夏さん(前編)
#002  お互いの領域をリスペクトする|吉岡純希さんと白石弓夏さん(後編)
#003  わからないことを追求する奥深さ|小浜さつきさんと白石弓夏さん(前編)
#004  学生教育から学びを考える|小浜さつきさんと白石弓夏さん(後編)
#005  生きた話を聞く、学び方|落合実さんと白石弓夏さん(前編)
#006  学ぶのは誰のため?|落合実さんと白石弓夏さん(後編)
#007  映像で思い出せるように|中山有香里さんと白石弓夏さん(前編)
#008  失敗してもそこから気づくことが学び|中山有香里さんと白石弓夏さん(後編)
#009  自分の頭のなかだけで完結させない|中村実穂さんと白石弓夏さん(前編)
#010  目標達成までをイメージする、あえて自分を追い込む|中村実穂さんと白石弓夏さん(後編)
#011  基礎に立ち返って学ぶ|小堤恵梨さんと白石弓夏さん(前編)
#012  “認定看護師”という自分の役割が、学びを後押ししてくれる|小堤恵梨さんと白石弓夏さん(後編)
#013  頭のなかだけで考えず、まずは不格好でも形にする|青木美沙子さんと白石弓夏さん(前編)
#014   ストレスが少ない、気軽にできる新しい勉強法|青木美沙子さんと白石弓夏さん(前編)
#015   大事なことは3つに絞ってノートにまとめる|岡田悠偉人さんと白石弓夏さん(前編)
#016   現場で困っているときにすぐ学べる環境を|岡田悠偉人さんと白石弓夏さん(後編)
#017   やるときはやったらいいし、やらないときはやらないでいいよ|芝山友実さんと白石弓夏さん(前編)




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白石弓夏
看護師兼ライター。整形外科病棟とクリニック、施設で働きながらライターとして活動中。ポジティブ思考、フットワークの軽さが強み。ライターとして情報収集、発信向けにTwitterをはじめたが、いつのまにか飯テロ垢と化したので、軌道修正中。
Twitter→https://twitter.com/yumika_shi





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【編集部よりお知らせ】


じつは、今回お話を伺った芝山さんをはじめ、本連載に登場していただいた皆さんのインタビューはこれだけではありません。
「どうして看護師を目指したのか」「現在取り組んでいること」「看護に対する考え方」など、ゲストの皆さんそれぞれの看護との向き合い方を、白石さんがじっくりインタビュー。
この度、その内容が書籍として刊行されます!




『Letters~今を生きる「看護」の話を聞こう~私もエールをもらった10人のストーリー』
https://www.medica.co.jp/catalog/book/8143

社会人経験を経て看護師を目指された経緯やプロフィールの「お豆腐メンタル」についても本書で詳しくお話しいただくなど、「学びカンタービレ」のインタビューと合わせてお楽しみいただける内容です。







書籍の詳細はこちらから↓
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Amazonでもすこし内容を紹介しています↓
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