僕が伝えたいこと|大事なことはぜんぶ臨床で学んだんだ|mizuki|#026

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「連載1周年を迎えて」です。

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「大事なことはぜんぶ臨床で学んだんだ」の連載がまもなく1年を迎えます。
いろんな方の目に触れ、読んでいただいた方々のおかげです。
本当に読んでいただきありがとうございます。


毎回テーマを決め、それに基づいて書いていますが、「こんな自分でも伝えられることが増えたな」と、なんだかんだで10年間続いている看護師という仕事をすこし自慢に思っている自分がいます。


私が看護師になる前、なかなか正社員になれず、期間限定の臨時職員や派遣でしか働けませんでした。
世の中、いろいろなスキルアップはありますが、そのスキルアップするスタートラインにも立てない。
なぜなら続けていける仕事を見つけられないため。
なんか無鉄砲に資格を選んでも、その資格を生かした仕事に就けなかったんです。
期間の決まっている仕事って、本当先が見えないんです。
毎日ハローワークに通っては、数少ない求人に応募。
営業や金型職人の募集などさまざまな職種に応募しましたが、なんの強みもない自分はことごとく不採用。
「自分は世の中に必要とされないんだな」と思っていました。

そんな自分が看護師になって、新人のときは毎日悩み、そして苦しんでいました。
「看護師の仕事も続かないなら、もう自分はどう生きていけば良いんだろうか」。
心身ともに弱っていた1年目は本当につらかったです。
今となってはそれは新人のとき特有の悩みであって、2年、3年と経験していくとその悩みが急速に軽くなり、今はそんなにつらくなく働けている。
このつらかった時期を、今となってはほかの人に話せるようになり、そのことで新人さんの気持ちに寄り添えるようになりました。


「臨床」というのは、非常にきつい場所だと思います。
それは病院のみならず訪問看護の自宅や、コールセンターなども含めた意味の臨床。
患者さんへの対応ひとつ取っても真剣勝負だし、処置なんかもしっかり適切な方法を身に付けないといけない。
看護学生時代は経験できなかったこと(手技から家族対応まで)を、いきなり先輩とともに行わないといけない。
覚えることが多すぎて、毎日パニック状態。
患者さん、家族、スタッフがいる「臨床」はつらいし、きついけど、毎日知識や技術は得るものがとても多い。
「悪いことばかりじゃないよ」っていうのを伝えることができたらうれしいなと思っています。

もしかしたら僕のことを「キラキラ輝いている、楽しく生きている看護師」と思っている人もいるかもしれない。
しかし実際はそんなことなく、仕事で失敗もするし、上司や先輩や後輩からも注意されるし、仕事に行きたくなくて「職場だけが爆発すればいいのになんて思うけど、夜勤で働いている人がかわいそうだからやっぱりだめだ」なんて考えている、普通の看護師です。
普通だからこそ共感できることがあるのではないかと思っています。


今後も、みなさんと同じ視点で、でも僕らしいとらえ方で文章を綴っていきたいと思っています。

//バックナンバー//

#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ
#014 時代がようやくついてきた
#015 自分の視点を伝えること
#016 昼間と夜間は仕事が違う
#017 「つながりは大切!」ってのはわかるんだけど
#018 看護師を辞めない理由
#019 やっぱり苦手な清潔ケア
#020 今度こそは看護師をしないぞと思う
#021 患者さんとのディスタンス
#022 自分は人とは違う
#023 たぶん人生でいちばん嫌だったとき
#024 看護師という運命共同体
#025 看護師1年目から使い続けているもの
特別編 そろそろ先が見えてこないかな

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
https://fractale3.com/mizuki/