必死に受かろうとして手にしたもの|大事なことはぜんぶ臨床で学んだんだ|mizuki|#028

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「思い出に残る参考書」です。

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この「メディカLibrary」はメディカ出版が運営されているメディアです。
それなのに他社の雑誌を紹介するのは非常に恐縮なのですが、今回のテーマ「思い出に残る参考書」。
このテーマをもらったとき、「この参考書しかない!」って思いました。
それはメヂカルフレンド社の『Clinical Study 2008年5月増刊号 基礎看護技術 手技チェックリスト40』という本。
これは2008年に出たもので、今となっては看護技術がすこし変わっているかもしれませんので、これからなんとしてでも手に入れようとする方はご注意ください。


なんでこの本に思い入れがあるのか。
看護学校1年生のとき、とにかく校内実習でやるベッドメイキングや洗髪が苦手。
もう本当に再実習を何度も経験しました。
社会人経験者だった僕は看護師ってベッドメイキングとかするイメージがなく、採血とか注射とかしかやるイメージがなかったんです。
だからベッドメイキングとか「なんで僕がやるんだろう」ぐらいの気持ちで甘く見てたんです。
なんだろう、社会人を経験したことが逆に足枷になったというか、「こんなことしたくない」っていうプライドが崩れなかったんです。
しかし、これらの実習に合格しないと、そもそも単位ももらえず看護師はおろか、病院実習にも行けない……。
なんかはじめてプライドが崩れたというか、「あー、僕もクラスメイトと同じ立ち位置なんだな」って実感しました。
それまではなんとなく勝手に「ほかの人よりも経験があるだけできる」と勝手な思い込みをしてたんだと思います。


そんなわけで学内実習に受からないとなんにも先に進まない。
とにかく手順を勉強しようということになりまして、学校の図書室に行って参考書を探していたらこの本に出会いました。
ベッドメイキングから手浴、足浴、洗髪、おむつ交換まで、看護学生が学内実習だけでなく病院実習でも役に立つ内容が、必要物品や手順、注意するポイントが見開きでまとめられているんです。
なんというすばらしい本!
そう思い、大きめの本屋を何件が探したのですが、どこにも見当たらず。
そこで直接出版社にメールしました。
するとすぐに雑誌が届きました。
「え? 代金支払ってから送られてくるんじゃないの?」と思いましたが、振込用紙を入れたからそれで支払ってくださいということでした。
すぐに対応してくれてすごくありがたかったし、本当に助かりました。

それ以後この本は常にかばんに入れて持ち運びしていました。
そして看護師になった最初のころも、穴が空くほど読んでたので、表紙も色あせ、ボロボロになってしまいました。

とにかく必死で実習に合格するために、看護師になってからも自分の看護技術を高めて、安全に患者さんに医療を提供するために、この本が自分にとって本当に思い出に残った一冊です。

//バックナンバー//

#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ
#014 時代がようやくついてきた
#015 自分の視点を伝えること
#016 昼間と夜間は仕事が違う
#017 「つながりは大切!」ってのはわかるんだけど
#018 看護師を辞めない理由
#019 やっぱり苦手な清潔ケア
#020 今度こそは看護師をしないぞと思う
#021 患者さんとのディスタンス
#022 自分は人とは違う
#023 たぶん人生でいちばん嫌だったとき
#024 看護師という運命共同体
#025 看護師1年目から使い続けているもの
特別編 そろそろ先が見えてこないかな
#026 僕が伝えたいこと
#027 たいへんなときのなかでの入職

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
https://fractale3.com/mizuki/