「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回のテーマは「多職種とのかかわり」です。
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メディカLibraryでの私のコラムも30回目を迎えました。
ひとえに読んでいただいているみなさまのおかげだと思っております。
本当にありがとうございます。
さて今回は「多職種とのかかわり」について。
以前もこのコラムで多職種連携について書かせていただきましたが、今回はちょっと違う視点で考えたいと思います。
私たち看護師は患者さんとかかわることが仕事ですが、1人の患者さんにかかわる人って何人ぐらいいるのでしょうか。
病院でも訪問看護でも、医師、看護師、事務は最低でもかかわります。
医師が処方する薬は薬剤師が調剤しますし、その薬は製薬会社の人がかかわり、時には患者さん用のパンフレットなども用意してくれる。
もちろん作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、臨床工学技士、公認心理師などなど、もう本当に数え切れないぐらいの職種の方々がかかわっているはずです。
今は精神科スーパー救急病棟で働いていますが、患者さんのケア会議(関係者会議)に参加することが多いんです。
ここではどのような社会資源を用いて患者さんの今後の生活を支えていくか検討しますが、本人、家族のほか、精神保健福祉士、市町村役場、ケアマネジャー、障害者施設職員などが集まり会議をします。
この集まったみんなで、1人の患者さんもしくはその家族について話し合います。
これってすごいことだと思いませんか?
1人の患者さんのためにたくさんの人がいろんな意見を出し合って、より良い支援方法を考えるって。
いつも参加するたびに「こんなにも多くの人が患者さんのためにがんばっているんだな」と思います。
とくにこれらの人をコーディネートして、今の患者さんの状態と今後について検討し、バランス良く調整する精神保健福祉士の人には本当に感謝しています。
さまざまな関係機関に連絡調整をするだけでも本当に大変だと思うんですよね。
電話ってすごく大変ですから。
顔が見えないコミュニケーションって精神すり減らすんです。
事務的な仕事の多い医療ソーシャルワーカーや精神保健福祉士ですが、じつに看護師よりも「多職種連携のプロだな」と思います。
本当、私たちは1人で生きているわけではないなって実感しますね。
私たち看護師の仕事が、すこしでもその患者さんの力になれればいいなと思っています。
//バックナンバー//
#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ
#014 時代がようやくついてきた
#015 自分の視点を伝えること
#016 昼間と夜間は仕事が違う
#017 「つながりは大切!」ってのはわかるんだけど
#018 看護師を辞めない理由
#019 やっぱり苦手な清潔ケア
#020 今度こそは看護師をしないぞと思う
#021 患者さんとのディスタンス
#022 自分は人とは違う
#023 たぶん人生でいちばん嫌だったとき
#024 看護師という運命共同体
#025 看護師1年目から使い続けているもの
特別編 そろそろ先が見えてこないかな
#026 僕が伝えたいこと
#027 たいへんなときのなかでの入職
#028 必死に受かろうとして手にしたもの
#029 看護師からのひとことが決めた未来
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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki)
乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。
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