場数を踏むとできること|大事なことはぜんぶ臨床で学んだんだ|mizuki|#034

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「新人のときに苦労した業務」です。

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新人のときに苦労したことは山ほどあります。
というか、看護師というこの世界、ほかの職種に比べ、新人のときに乗り越えないといけないハードルは本当に高いと思います。

僕は高校卒業後、経営学の大学に進学。
その後行政機関の事務やシステム関係の仕事、老健施設の事務などをしていまして、31歳で看護師になりました。
看護師になるまでそれなりにいろんな仕事をしてきましたが、看護だけは本当に違いました。

まずは「失敗が許されない」。
まあ、どんな仕事も失敗は減らしていきたいですが、看護の場合は許されないことが多いですよね。
それだけ慎重に判断をすることが求められるし、それの連続だったりします。

新人のときは覚えることが本当に多く、失敗も許されないので、毎日つらかったですね。
苦手な業務というより「すべての業務に自信がない」感じでした。

そのなかでも苦手だったのは「点滴」でしょうか。
点滴は針を患者さんに入れることも苦手ですし、点滴を時間どおり落とすのも苦手でした。
まだ輸液ポンプとかシリンジポンプとかは得意なんです。
ああいう機械物は子どものころから得意でしたから。
しかしクレンメで調整するものは本当に苦手。

でも、不思議なもので、ちょっとずつできるようになるんですよね。
私の先輩が話していた「自転車の練習と同じように、何度も転けながらもいつかは乗れるようになるんだよ」という言葉どおり、今はそれほど苦労なく点滴の管理ができています。
そして「患者さんは動くんだから、点滴がそんな綺麗に落ちるはずはない」ぐらいの気持ちで点滴管理をしたほうが、気持ちに余裕が生まれます。
幸いなことに点滴管理がシビアではない環境にいるのでできることかもしれませんが。

あとは採血も本当に苦手でした。
「こんな技術が進んでるこの時代に、まだ人に針を刺して血を採るの?」っていまだに思っています(笑)。
先輩からも「あなたは採血向いてないわ。選ぶ血管のセンスがない」なんて言われていましたが、あるとき病棟業務ができなくなり、外来の採血室に異動になりました。
もちろんメイン業務は採血。
なんでよりによって一番苦手な業務なんてやらないといけないのか、日々落ち込んでいました。
日々学習して、痛くないような採血を目指していました。
すると外来の患者さんから「あなたの採血は本当に痛くない。次回もあなたを指名するわ」なんていううれしい言葉ももらえるようになりました。
今ではこのときの何百人もの採血の結果、それほど苦手な業務ではなくなりました。

新人のみなさんも苦手な業務があると思います。
「全部苦手だ!」でもいいんです。
そのうちできるようになります。
「場数を踏む」。
このことが大切ですね。

//バックナンバー//

#001 はじめての尿カテ
#002 大好きな検査値
#003 ナース服のポケットに忍ばせたメモ
#004 患者の死
#005 はじめての経管栄養
#006 新人のうちはアラームになれ
特別編 いまこの時代に精神科看護師として働くこと
#007 夜勤前のルーティーン
#008 入院時のルーチン
#009 看護師が伝える言葉の重み
#010 体位変換
#011 想像と違うオンコール
#012 好きな手技
#013 後輩が持つノートのサイズ
#014 時代がようやくついてきた
#015 自分の視点を伝えること
#016 昼間と夜間は仕事が違う
#017 「つながりは大切!」ってのはわかるんだけど
#018 看護師を辞めない理由
#019 やっぱり苦手な清潔ケア
#020 今度こそは看護師をしないぞと思う
#021 患者さんとのディスタンス
#022 自分は人とは違う
#023 たぶん人生でいちばん嫌だったとき
#024 看護師という運命共同体
#025 看護師1年目から使い続けているもの
特別編 そろそろ先が見えてこないかな
#026 僕が伝えたいこと
#027 たいへんなときのなかでの入職
#028 必死に受かろうとして手にしたもの
#029 看護師からのひとことが決めた未来
#030 1人の人にかかわる人々
#031 自宅で過ごすということ
#032 オフになるフィールドを探す
#033 思い出の多いワクチン接種

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ10年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

about fractale
https://fractale3.com/mizuki/